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2007年7月20日 (金)

オラクル・レーシングの挑戦状 その2

GGYC(オラクルレーシング)が”USA”という艇でSNG(アリンギ)に挑戦状を叩き付けたことも前述の通りです。この”USA”の詳細は明らかされていませんが、全長90ft、全幅90ftという寸法から、カタマラン或いはトリマランといったマルチハルボートであることは容易に想像がつきます。

となると、これは益々”アメリカズカップ史上最大の汚点”とか”世紀のミスマッチ”といわれた1988年大会のパロディに見えてきます。ホントにどこまでGGYCが本気なのか、疑問を禁じ得ません。(ちなみにアリンギも、かつてこんなマルチハル艇を所有していたそうです。 )
http://www.sebschmidt.ch/portfolio/99143/article/99143_article_Seahorse_Aug2000.pdf
http://www.sebschmidt.ch/portfolio/99143/article/99143_article_voiles_et_voiliers.pdf

そうしたところ、GGYCは新たなプレスリリースを発表しましした。
http://www.ggyc.com/GGYC%20Press%20Release%20July%2019.doc

この趣旨は、
・SNGが先に発表したプロトコルは極めて公平性に欠ける。
・防衛者側が一方的に新しいACクラスのルールを検討・制定する間、挑戦者側に内容は一切知らされない。(その間防衛者のみ新艇開発が可能となるので)これは防衛者側にとって圧倒的に不利である。
・また今回のルール変更は現在のACクラスボートの資産価値を殆ど無にするのみならず、各シンジゲートの参加をも誘かし、イベントをそのものに損害を与える。
・GGYCは33回大会が現行のACクラスボートを使用した公平で民主的なレースとなることを望んでいる。
・同時にGGYCはバレンシア市のインフラへの投資努力を勘案し、競技が引き続き同市で開催されることを支持する。
・GGYCは挑戦者と防衛者が互いに公平な立場で新しいデザインルール作りを進めるべきだと信じる。
・こうした目標を達成することが全ての挑戦者に公平な競技機会を与え、大成功であった第32回大会をより大きなものへ発展させていくことになるだろう。
・よってGGYCは、SNGがGGYCのChallenger of Record選任を受け入れるよう求める。

CNEVの茶番劇をみても、今回のGGYCの主張は非常に筋が通っているように思えます。多くのアメリカズカップファンも同じことを考えているのではないでしょうか?

実際ファンのみにあらず、Sailworld.comによれば少なくとも8チームがGGYC同様SNG(アリンギ)の発表したプロトコルの撤回を求めているということです。
http://www.sail-world.com/nz/index.cfm?nid=35795&rid=6

これに対し、CNEVはChallenger of Recordの辞退を考え始めているとウワサされているという報道も出てきました。http://www.bymnews.com/news/newsDetails.php?id=12307
ただし、代わりのChallenger of RecordはGGYCではなく、33回大会に向けて新たに参加を表明している英国のチーム・オリジンの母体となったRoyal Thames Yacht Clubになるかもしれないということです。Royal Thames Yacht Clubは1775年設立の英国で最も古い王立ヨットクラブで、Cambria号を擁し1870年の第1回アメリカスカップに出場した由緒あるクラブでもあります。

こうした動きに対し、SNG(アリンギ)側からの正式な反応はいまのところありません。しかし、かつてニューヨーク・ヨットクラブは”挑戦艇は海上を回航してレース地までやってくること”などという圧倒的不利な条件を平気で挑戦側に突きつけ、130年に渡ってカップを守り通してきたというアメリカズカップの世界です。SNGが挑戦者達の主張をおいそれと呑むとは思えず、まだまだ曲折がありそうです。

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