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2008年11月24日 (月)

エド・ベアード、アメリカスカップの今後について語る。その1

デサフィオ・トロフィーで1年4ヶ月ぶりにACボートによるレガッタが開催され、また来年早々にはニュージーランドでACボートを使用したマッチレース大会、ルイ・ヴィトン・パシフィック・シリーズの開催が予定される等、ようやく動き始めたアメリカス・カップの世界ですが、一方で次回大会の運営方法に関し係争中であるアリンギ、エルネスト・ベルタレリとBMWオラクル、ラリー・エリソンの間には一向に歩み寄りが見られず、今後の動向は依然不透明です。

そんな中、アリンギのヘルムスであり、日本のセーリング界でもお馴染みの"エドさん"ことエド・ベアードが、アメリカス・カップの今後、及びBMWオラクルが逆転勝訴した場合実施されるマルチハル対決に関しBYM Newsのインタビューに応えているのでご紹介します。

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私自身、J/24のセーリングクリニック等々でエドさんには色々とお世話になりましたが、本当に思慮深い紳士という感じの人です。このインタビューも、そんな彼の性格がよく現れています。

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エド・ベアードは、アリンギのヘルムスマンとして第32回アメリカスカップを勝利し、2007年度ISAF年間最優秀セイラーに選ばれました。彼の国際的な成功は、1980年レーザーの世界チャンピオンになったことから始まり、1983年にはソリングとJ/24の世界チャンピオンとなりました。彼は1995~96年と2004~05年のISAF世界ランキング1位であり、また1995・2003・2004年にはマッチレースの世界チャンピオンとなっています。ベアードはまた世界中でレースに出場しています。

BYMのマリアン・マーティンはフランス・イエールで開催されているiShores Cupに出場中のベアードに、BMWオラクルが逆転勝訴した場合実施されることになる贈与証書レース(90フィートのマルチハル艇での対決)に関しインタビューを行いました。

BYM: 90フィート・マルチハル艇でのタッキングに関し少し混乱があるのですが、ブラッド・バタワース(アリンギ)とジェームス・スピットヒル(現BMWオラクル:前ルナ・ロッサ)はタックにおけるロスが大きいとしているのに対し、ロブ・グリーンハル(チーム・オリジン)はそんなことないとしています。あなたはどうお考えですか?

エド・ベアード(以下EB エクストリーム40(40フィート カタマラン)と比べると、うまくタックするのは難しいと思う。エクストリーム40はタック時も本当に素晴らしくロスも少ない。90フィートのマルチハルはもっとスピードが出るので、スピードを落とさずタックするのはより難しいだろう。

BYM: フランシス・ジョヨン(マルチハルヨットを使用した単独無寄港世界一周記録保持者)は、タックロスは左程大きくなかったと言っていますが?

EB: そうだね。まだ誰もそんな大きなマルチハルで帆走したことはないけれど、もっとパワフルで強烈な帆走能力を持っているのは間違いない。でもマルチハルはあまり加速力に優れたボートじゃないんだ。元来そういうことが目的ではなくて、直線スピードを稼ぐことが得意なんだ。たからタックをするときはロスを、時には大きなロスをすることがある。

BYM: どういうときにタックを決断することになりますか?

EB: 相手のボートの前に居続けるか、相手の後ろから逃れる場合を考えてみてくれ。だから多くの決断をしなくてはならない。もちろん大きな風のシフトが予想されるなら、それを戦略的に掴みに行くこともあるだろう。でも余程相手から離されて一発勝負に出なきゃならないとき以外は、相手ボートから離れるということはまずないだろう。

BYM: スピットヒルは、マッチレース時両艇は離れてしまうだろうと言っていますが?

EB: 僕がBYMの彼に対するインタビュー記事を読んだ時、アメリカスカップやマッチレースのサーキットに慣れ親しんできた者の感覚からかけ離れているという点において、彼は非常に正しいと思った。しかし、前回のルイヴィトンカップやアメリカスカップにおいても2艇の距離が6~800メートル、時として1キロ以上離れてしまったケースのあることを思い出してくれ。で、今度のマルチハルがどうなるというと・・・、艇速は今までの約3倍で、上り角度は悪い。だから一旦離れてしまうと、あっと言う間に大きく離れてしまうだろう。でも、ということは、逆に言えばあっという間に近づいてくるとも言える訳だ。しかし距離的には大きく離れてしまうこともあるので、ヘリから2艇を中継するのは大変かも知れないね。

BYM: 風上航レグに続いてリーチングのレグがあります。両艇が同時にジャイブマークに到達したら、どんなことになると思いますか?

EB: まあ、通常のルールが適応されるだろうね。即ちマークまで一定の距離に近づく前にクリア・アヘッドになっておかなきゃならない。さもなければ内側に水を開けてやらなきゃならないね。

BYM: それはどちらかというと危険なことではないですか?

EB: 非常に危険な可能性がある。経験したことがないだけに、間違いなく理解しておきたい部分のひとつだ。だから、偉そうなことを言っているけど、僕らとしても現段階でははっきりとわかっているわけではないんだ。

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インタビューはまだ続きますが、今日はここまで。

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