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2008年11月28日 (金)

エド・ベアード、アメリカスカップの今後について語る。その2

アリンギのヘルムス、エド・ベアードに対する BYM News のインタビューの続きです。

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BYM: あなたはルールづくりに関与してきましたか?

エド・ベアード(以下EB): 少しは話したけど、もっと真剣に議論しなきゃいけないね。でも、僕らはもっぱら如何にしてマルチハル艇建造の遅れを取り戻すか、そしてもちろん、それをどう走らせるかということに専念してきた。今実際にマルチハル艇を走らせてみて、通常のマッチレースのルールはマルチハルに合わないこと、そこには議論の余地があることに気付き始めたところなんだ。

一般論として、マルチハル艇というのはルールに対してきっちりと対応できないところがある。もっと自由にあちこちカッ飛び走り回る、そんな類のボートなんだ。しかし、だからといって何でもアリというわけにもいかない。そんなことを許していたら、結局みんな自分たちの首を絞めることになりかねないからね。競技は安全でなきゃいけない。大学生のレースやファー40のイベントとは違うんだから、考える以上に慎重にならなきゃね。

種類も様々であるマルチハル艇に対しては、厳格にセーリングのルールを適応することができないケースが多々あるんだ。なぜならボートが余りにも速い為、僕の長年の経験から言うと、きっちりとしたアプローチができなかったりする。だから2艇が接近してきた場合、権利を主張しあうというよりも、もっと互いに譲り合うといった感じになる。しかし、アメリカスカップの世界において、しかもたった2チームしか出場しない状況で、こんなアプローチで行くとは言えないよね。ここがレースまでにきちんと整理しておかないといけないポイントの一つだ。

BYM: エクストリーム40のスキッパーたちとランチを共にした際、BMWオラクルは軽風用と強風用の2艇を建造しているのではないかという話がでていました。あなたはそうだと思われますか?

EB: 僕らは報道されていることしか知らないから、わからないなぁ。BMWオラクルがどうしているのか本当に知りたいよ。数週間以内に彼らがどうしているかわかると思うけど、2艇を作っているかどうかは、全くわからないよ・・・ (註:このインタビューはBMWオラクルがマルチハル艇"DoGZilla"を公開する前に取材されたものです。)

BYM: 安全面はどうするつもりですか?

EB: 安全面はチームの皆が気にしていて、どうすべきか情報を入れてくれている。あの巨大マルチハル艇で帆走するとなると、パワフルでありながら加速能力に欠けるということを極めて保守的に加味しながらも、どういったところが危険なのかを早急に検証しなければならない。

もう一度、これはスピットヒルも言っていたことだけど、もしこのサイズの巨大ボートで大惨事がおこれば、チームの活動そのものが終焉を迎えることになるから、絶対避けなきゃならない。セールが破れたり、ブームが折れたり、マストが折れたり、ラダーが壊れたり等々といった事態はどんなボートでも起こりえるし、そうした場合でも安全面はなんとかなると思う。もっとも問題なのは、大概のレーサーが経験していることだけど、”沈(転覆)”した場合だ。”沈”は特にレーシング・カタマランやトリマランで起こる問題であり、オーバーパワー時に如何にしてパワーを抜くかを理解しておかなきゃいけない。”沈して学ぶ”という余裕はないからね。

Alinghicapsizes2

(註:ベアード自身エクストリーム40を使用した iShares Cup のレース中、上記写真の"沈(転覆)"が元でリタイアを喫したという痛い経験があります。)

BYM: なんだかアリンギ、オラクル双方ともスタートラインにすらつけないことすらありえるように思えてきました。だって、余りにわからないことだらけで、練習中にボートを潰してしまことだってありえますよね。

EB: そういうことはいつでも起こりえるさ。ACクラスが始まったころを思い出すと、サンディエゴやニュージーランドでのルイヴィトン・カップでは、ボートが壊れてスタートラインに現れないなんてことが多々あった。あのころは構造にしろ何にしろ、実験するにしても新しいことだらけで、詳しいことは誰にもわかっていなかったんだ。だからアプローチの仕方次第では、あんな事態が起こりえたわけだ。今回はアリンギ、BMWオラクル両チームとも、充分に帆走テストを行えるだけの時間が欲しいね。だって、全てのセーラーが自分達のボートの機能をよく理解できていないと良いイベントにはならないからね。

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インタビューはまだまだ続きますが、今日はここまで。

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