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2008年11月15日 (土)

アリンギとBMWオラクルの果てしない争い。

予定通り(?)11月11日にアリンギ主催の合同会議が、ジュネーブのSociété Nautique de Genèveで開催されました。http://www.alinghi.com/en/news/news/index.php?idIndex=200&idContent=18271

今回は下記11チームが会議に参加しました。前回と同じ面子です。

  • Alinghi (Société Nautique de Genève, Switzerland)
  • Desafío Español (Club Náutico Español de Vela, Spain)
  • Shosholoza (Royal Cape Yacht Club, South Africa)
  • TeamOrigin (Royal Thames Yacht Club, UK)
  • Emirates Team New Zealand (Royal New Zealand Yacht Squadron, New Zealand)
  • Green Comm (Challenge Circolo di Vela Gargano, Italy)
  • Ayre (Real Club Náutico de Dénia, Spain)
  • Victory Challenge (Gamla Stans Yacht Sällskap, Sweden)
  • Argo Challenge (Club Náutico di Gaeta, Italy)
  • French Spirit (Yacht Club de St Tropez, France)
  • Carbon Challenge (Royal Belgian Sailing Club, Belgium)
  • 肝心の議題ですが、今回は第33回アメリカスカップの具体的な運営方法について討議され、下記4項目で合意に達したと発表されています。

    1. ルールの公平性等に関する判断を行う調停委員会(Arbitration Panel)のメンバーを、3名から5名へ増員する。増員分2名は、参加チームによる"民主主義的"手順を踏んで任命される。

    2. レース委員会に関しては、参加チームの合意の下選任される。

    3. その他のレース・オフィシャル、テクニカル・ディレクター、アンパイヤに関しては、ISAFとほぼ同じ手順を経て選任される。

    4. 2009年にプレレガッタを2回開催し、第33回アメリカスカップは2010年に開催する。

    特に注目されるのは調停委員会の選任に関してです。元々昨年発表されたプロトコル(大会運営議定書)によると調停委員会は3名で、全員がACM(アメリカスカップ・マネジメント)、即ちアリンギにより任命されることになっていました。ここに競技の公平性に対する大きな疑問があったわけで、BMWオラクルや世界中のセーリング関係のメディアが批判を続けてきたポイントの一つとなってきた経緯があります。それに対し、今回チャレンジャー側の同意を受けた2名を追加するとしてきたわけですが、依然調停委員会の多数はアリンギの意を受けたメンバーで占められるので、はっきりいって与太話です。

    さらに、今回の会議に関するイヤな話が敵対するBMWオラクル側、及びそれに近い立場をとり続けるマスカルゾーネから出てきています。

    まずBMWオラクルですが、11月11日発表のプレスリリースによれば、アリンギは公式にはBMWオラクルも今回の会議へ招待するとしておきながら、直前になってラッセル・クーツへ「今回の会議への参加を認めない。」という連絡があり、参加を取りやめたというのです。

    またマスカルゾーネ・ラティノの発表によると、アリンギの招待に応じチームを代表して  Alessandra Pandarese がジュネーブに向かったのですが、会議への出席に際しアリンギより、今回の会議の内容を一切参加者以外へ口外してはならないという秘密保持同意書へのサインを求められたということです。これに対し Pandarese は、現在のアメリカスカップを巡る状況は広く一般へオープンされるべきだと抗議しサインを拒否した結果、会議への出席が認められなかったというのです。

    さてさて、このような状況下、ニューヨーク州最高裁判所での裁判は以前お伝えしたスケジュールに沿って粛々と進んでおり、11月13日アリンギ側の答弁書が裁判所へ提出されました。

    これはまずアリンギの母体である Societe Nautique de Geneve からの答弁書Club Nautico Espanol de Vela からの答弁書、さらにはバレンシア市及び次回アメリカスカップへの参加を表明している5チーム(Team French Spirit, Argo, Green Comm, Shosholoza, AYRE)からの第3者意見書が含まれています。まだ内容を通読していませんが、恐らくCNEVの正当性、及びアリンギの公平性を主張した内容となっていると思われます。

    これに対し、BMWオラクルの母体である Golden Gate Yacht Club も即日プレスリリースを発表し、ディフェンダー側はいつでも一方的にルール変更可能であること、CNEV以外のチャレンジャーには一切の権利が与えられていないこと、そして挑戦者決定戦がディフェンダー側のコントロール下で行われるという前代未聞の事態となりつつあることに抗議しています。

    以上のように、このドロ沼の法廷闘争は一向に治まる気配をみせていません。スケジュールによれば、今回のSNG/CNEV側の答弁書に対するGGYC側の追加趣意書(反論)が11月29日までに提出されるはずです。

    昨年来ことの成り行きをずっと注視してきましたが、もう本当にウンザリします。

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