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2008年12月 9日 (火)

BMWオラクル、エントリー提出を拒否。法廷対決決定!

予想された最悪の事態となりました。

BMWオラクルレーシング、そしてその母体であるサンフランシスコのゴールデンゲート・ヨットクラブ(Golden Gate Yacht Club:GGYC)は、現在アリンギ及びその母体ソシエテ・ノーティーク・ドゥ・ジュネーブ(Société Nautique de Genève:SNG)が準備を進めている第33回アメリカスカップは違法であるとして、12月15日に設定された締め切りまでにエントリーを提出せず、法廷にて決着をつけることをSNGへ正式に通達しました。

以下は、GGYCのウェブサイトにて公表された、SNGに対する書簡の全文です。

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2008年12月8日

ポール・ノワール、CH-1223 コロニー、スイス

ソシエテ・ノーティーク・ドゥ・ジュネーブ会長

ピエール・イヴ・フィルメニッヒ(Pierre-Yves Firmenich)殿

親愛なるフィルメニッヒ会長殿、

ゴールデンゲート・ヨットクラブ、及びBMWオラクルレーシングチームは、現在SNGの進めているレガッタはアメリカスカップとして違法であると考えるため、指定された12月15日までにはエントリーを提出しないことを、ここに正式にお伝えします。

今後我々はニューヨーク州控訴裁判所での控訴審に勝利することに注力して行きます。これはアメリカスカップの贈与証書の条項に則り、ヨットレースの最高峰に位置するイベントの高潔さ、威信、そして伝統を守る、公平で闘いがいのある挑戦を生み出すために唯一残された手段であるからです。

ご存知のとおり、口頭弁論は2月10日に予定されており、判決は3月末に言い渡される見込みです。アメリカスカップの将来への影響を考えると、ここでさらに数ヶ月を費やすことには充分意義があると我々は信じています。

事実、近く判決が言い渡されることを鑑みると、SNGが一方的にエントリー締め切りを12月15日に設定したことは、まったく奇妙なことです。実際、GGYCが控訴した直後にレガッタへの準備を再開するとは、判決に影響を及ぼそうとする見え透いた馬鹿げた企てに過ぎません。仮にそうだとしても、SNGが我々にプロトコルを通読し、公平なルールを制定するため我々が提案して10項目と比較する機会を与えるなら、エントリーを提出することもやぶさかではありませんでした。しかし残念なことに、SNGはこの我々の合理的な提案に応えることはありませんでした。

法廷外で争論を終結し、アメリカスカップを再び正しい方向へ戻すため、我々は多くの建設的提案を行ってきました。しかしSNGと貴クラブの防衛組織は、我々に対する誠実な協議を拒み続けてきました。それどころか、

  • SNGは自分に有利な第33回アメリカスカップのルールを書き上げるため、偽のヨットクラブをでっちあげました。そのルールは「アメリカスカップ史上最悪の内容」として、だたちに7チームからの糾弾を受けました。
  • SNGは上記偽ヨットクラブを無条件で承認し、カップを勝ち得るだけの経験と能力を兼ね備えた有力挑戦者であるGGYCを排除するため、SNG自らが指名した調停委員に秘密申請書を提出しました。
  • 2007年11月に一審判決が言い渡される前に、SNGは一方的にアメリカスカップの2009年開催を取りやめました。この結果。チーム・ニュージーランドはSNGを提訴するに至りました。
  • 2007年11月の一審判決において我々が勝訴した際、アメリカスカップの2009年開催へ向け事態を正常化する相互の合意に基づく、複数チームがモノハル艇を使用する形式での開催へ向けての協議を、SNGは拒否しました。

SNGの防衛組織は、有力な挑戦者が脅威になると判断されるとき、そのチームをセーリングイベントから締め出した実績を持っています。さらに今回の貴クラブの準備再開は、挑戦者チームの立場を確固としたものにする妨げとなっています。我々は貴方の秘密保持同意書へのサインを拒否したとして、昨今の会議から締め出されてきました。このようにルール策定に関する会議が密室で行われることは、アメリカスカップ史上前代未聞の事態です。これは、公平で闘いがいのあるアメリカスカップへ全ての有力なチームが参加可能なプロトコルを作成する為に求められる包括的で、オープンで、透明性があり、民主主義的なプロセスではありません。

SNGの防衛組織は現行プロトコルの持つ非常識な面を和らげるための誤った印象を与えようとしています。しかし我々の知る限り、いつ何時でもルール変更可能で、大半の挑戦者決定レースに無条件で出場できるというアンフェアな特権を押し付けようとし続けています。

我々は、SNGと貴クラブに所属するアメリカスカップチームが、これほどまでに信用できず不公平な競技を行おうとしている中へ、盲目的にエントリーすることはあり得ません。

以前にもお伝えしたように、もし我々が期待通りに勝訴した場合、正式な挑戦者代表(Challenger of Record)として、アメリカスカップ史上最高で、もっともエキサイティングなイベントのひとつであった第32回アメリカスカップと同様のフェアなルールの下で行われる、従来の複数チームがするレガッタ開催に向けて、合意をめざす努力をします。

我々が直近の趣意書で述べたように、「アメリカスカップは特別な存在である。実際スポーツの世界で唯一の存在である。正確に言うと、なぜならそれは”チャレンジカップ”だからである。すなわち、毎回独立した経験あるヨットクラブが対等な立場で協議された条件の下、或いは協議が決裂した場合は贈与証書(Deed of Gift)の元々のマッチレースの条件の下、その時点のカップ保有者に対し挑戦を表明した段階で、次の挑戦が始まるからである。適格で強く独立した挑戦者代表こそが、贈与証書の想定した競技の基本構造として不可欠な存在なのである。」

もしSNGとCNEVが望むのであれば、どのようなレガッタを開催しようとも構いません。しかし、有力チームもスポンサーもなく、フェアなルールもなく、157年のアメリカスカップに対する敬意もなく、もっとも重要なのは貴クラブが贈与証書を全く軽視し続けるなら、これはもはやアメリカスカップではありません。それは単なるアリンギカップであり、我々が参加するに足る理由が見当たりません。

敬具

ゴールデンゲート・ヨットクラブ会長

マーカス・ヤング(Marcus Young)

CC エルネスト・ベルタレリ,チーム・アリンギ

     ブラッド・バタワース,チーム・アリンギ

     ラリー・エリソン, BMWオラクル・レーシング

     ラッセル・クーツ, BMWオラクル・レーシング

     第32回アメリカスカップ出場挑戦者チーム

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