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2008年12月31日 (水)

ニューヨーク・ヨットクラブがアリンギ・CNEVを非難する意見書をNY州裁判所へ提出。

ついにというか、アメリカスカップを130年に渡り守り続けていたニューヨーク・ヨットクラブ(New York Yacht Club: NYYC)がとうとう動きました。

カップをイギリスから勝ち取ってきたスクーナー「アメリカ」の6人のオーナー達が所属し、また「贈与証書(Deed of Gift)」とともにカップを寄贈した先であると同時に、それを130年に渡り守り通してきた、いわばアメリカスカップの故郷たるニューヨーク・ヨットクラブはアメリカ東部標準時間の大晦日12月31日、アリンギ、デサフィオ・エスパニョール夫々の母体であるソシエテ・ノーティーク・ドゥ・ジュネーブ(Société Nautique de Genève: SNG)及びクルブ・ナウティコ・エスパニョール・デ・ベラ(Club Náutico Español de Vela: CNEV)の行動は「贈与証書」の趣旨に反しているという内容の21ページに渡る第3者意見書(Amicus Curiae)をニューヨーク州控訴裁判所へ提出しました。下記はその意見書へのリンクです。

New York Yacht Club: Brief of Amicus Curiae New York Yacht Club

この第3者意見書によると、CNEVはヨットクラブとしての体を成しておらず、スクーナー「アメリカ」のオーナー達がワイト島一周レースで勝ち取ったトロフィーを”チャレンジカップ”としてニューヨーク・ヨットクラブに寄贈した「贈与証書」の条項を覆すものであるとしています。同時に「贈与証書」を”素直に読めば(plain and natural reading)”、挑戦者は正当なヨットクラブであることが必須条件であり、SNG・CNEVを逆転勝訴としたNY州最高裁判所上訴部の2審判決はNYYCの意図を誤って解釈したものだとしています。

また、この第3者意見書でNYYCは、「アメリカ」のオーナーの内、最後まで存命であったジョージ・L・スカイラー(George L. Schuyler)氏が「贈与証書」を数度に渡り修正した際に込めた意図は、「アメリカスカップはカップを掛けたヨットクラブ間の争奪戦」でなければならず、挑戦者は海上或いは湾で年次レガッタを開催する組織的なヨットクラブでなければならないというものであり、SNGの第33回アメリカスカップ・プロトコルはこれを傷付けようとしているとしています。

同時にNYYCは、このスカイラー氏の意図に則り、アメリカスカップを「贈与証書」の精神に基づく伝統的なレガッタへ立ち戻らせるべく、アリンギとBMWオラクルの仲裁努力を1年以上続けてきたが、それも功を奏さなかったと記しています(5ページ付近)。

昨日お伝えしたデトロイト・フリープレス紙のエリック・シャープ(Eric Sharp)のコメントも、正に上記NYYCと同じことを述べており、アリンギの余りにも露骨な商業主義に対し警鐘を鳴らすものといえます。確かにスポーツがビッグビジネスへと変貌するのは時代の趨勢かもしれませんが、オリンピックよりも歴史あるスポーツトロフィの伝統を継承することも重要でしょう。今回のNYYCの意見書は、ビッグビジネス化するアメリカスカップの現状に一石を投じるものといえるでしょう。

この意見書が、判決によい影響を与えることを祈るばかりです。

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