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2009年1月10日 (土)

”アメリカスカップはF1のようになり過ぎている”

1983年、130年間に渡ってアメリカスカップを保持し続けてきたアメリカから初めてカップを奪った「オーストラリアII」で、ナビゲーターを務めていたヒュー・トレハン(Hugh Treharne)が、最近のアメリカスカップの状況について「F1のようになりすぎている」というコメントを寄せています。

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The Newzaeland Herald: Amerias's Cup 'too much like F1'

アメリカスカップ史上で、いまだにハイライトとして語り継がれている1983年のカップウィナー、「オーストラリアII」のクルーであったヒュー・トレハンは、4大会連続でオーストラリアからアメリカスカップへの出場がないことを悲しんでいます。

12月に2010年開催の次回アメリカスカップへ向け12カ国からの18チームが挑戦することが発表されましたが、オーストラリアはその中に含まれていませんでした。

近く彼にとって29回目となるシドニー・ホバート・ヨットレースに出場するトレハンは、アメリカスカップへ向けて本当の意味でのナショナルチームを結成するのは益々難しくなってきたと嘆いています。

「エントリーした全チームが、世界中からのセーラー達で編成された混成チームになっている。もはやこれは国を代表して闘うスポーツではなくなってしまった。世界中のあらゆる所から頭脳、パワー、デザイン、ノウハウをかき集めてくる、まるでフォーミューラー・ワンみたいなもんだ。」

トレハンはアメリカスカップへの出場コストが”驚異的”なレベルとなっていることを認めて、次のように続けました。

「オーストラリアではどうにもならないような金額を、どうやってニュージーランドがやり繰りしているのか、私はいつも驚きながらみているんだ。」

「とはいえ、そんなことはどうでもいいことだ。アメリカスカップに出てみたいと思うセーラー達にとっては、より多くのチャンスがあるってことだからね。ただ単に国別対抗でなくなったというだけのことさ。」

オーストラリアが最後に挑戦したのは1995年のことで、2000年、2003年、2007年の大会には出場していません(註:実際には、2000年大会に「Young Australia」が出場しています)。

トレハンは「ボクシング・デー」にスタートするシドニー・ホバート・ヨットレースに、イアン・カーナンがスキッパーを務める船齢50歳の「サンヨー・マリス」のクルーとして出場する予定です。

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F1もかつてはイギリスが緑、イタリアが赤、フランスが青、ドイツが銀、アメリカが白に青ストライプ(或いは青に白ストライプ)、そして日本がアイボリーホワイトに日の丸と、各車がナショナルカラーに塗られた時代がありましたが、70年代前半からスポンサーカラーをまとい、チームも国際色豊かになっていきました。

グローバリゼーションが時代の流れであるなら国別対抗はノスタルジーでしかなく、ある意味アメリカスカップの世界はF1より30年遅れているといえるかもしれません。その為アリンギのエルネスト・ベルタレリはACMという組織を使って、アメリカスカップをF1のようなグローバルスポーツへ一気に移行させようとしているのでしょう。これに対する抵抗、さらにいえばカップの現状に対するアメリカ勢の反発が、今回の法廷闘争の根底にあると思います。

スポーツの理念、そしてカップを通したヨットクラブ間の国際交流を願った「贈与証書」の理念を考えると、私個人としてはアリンギの考え方には同意しかねるのですが、時代の流れを考えると抗し難いことなのかもしれません。

セーリングファンのみなさんはどう思われますでしょうか?

追記:「サンヨー・マリス」はグースネックを壊して、残念ながらリタイアしてしまいました。

http://sportal.com.au/other-sports-news-display/sanyo-maris-retires-62592

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