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2009年2月 1日 (日)

新アメリカスカップクラス”AC33”発表

当初の予定通り、1月31日第33回アメリカスカップに使用される新しいアメリカスカップクラスボートのクラスルールが発表されました。

33rd America's Cup (ACM): AC33: The new America's Cup yacht design rule goes live

Alinghi: AC33: The new America's Cup yacht design rule goes live

アリンギ、ACM双方のサイトに新クラスに関しての情報が公開されていますので、ここでご紹介します。

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AC33はACMのクラスルール及び競技規則コンサルタントであるトム・シュナッケンバーグの主導の下、防衛者、挑戦者代表、そしてその他の17チームの競技を経て制定された。新クラスルールの策定作業が開始された2008年11月以降、全19アメリカスカップ・シンジゲートのデザイナー及びチーム・マネージャーはスイス・ジュネーブ、スペイン・バレンシアで定期的に会合を開いてきた。

その結果各チームは、現行のACクラス・バージョン5.0とほぼ同コストでありながら、よりエキサイティングなパフォーマンスを有する新クラスを開発することで同意した。AC33は全長最大26m、喫水(水面~バルブ下端)5mで排水量は17.5tという新たな数値を与えられた。

セールエリアはACクラス・バージョン5.0より大きいが、ヘッドセールはオーバーラップを有しない。そして2007年に発表されたAC90同様バウスプリットを有すると共に、スピネーカーにはシート取り回し上の制約があるだけで寸法的な制限はない。排水量が小さく抑えられた為、上りではよりテクニックが要求される一方で、フリーでは目の眩むようなパフォーマンスを発揮するであろう。最大幅は4.8mで、殆どの場合幅3m以下であったACクラス・バージョン5.0を見慣れた者には、かなり幅広く感じられるはずだ。

Accv5_vs_ac33_3 

トム・シュナッケンバーグ(ACMクラスルール・競技規則コンサルタント):

我々はこの10週間というもの、新しいAC33クラスルール発表に向け非常に活動的に過ごしてきた。新ルールの策定プロセスは12ヶ月前に発表したAC90と非常に似ており、多くの条項はあえてAC90のものをそのまま踏襲した。AC90制定過程での経験を生かすことができたので、クリスマス休暇をはさんだにも関わらす、新ルールの策定作業は非常にスムーズにすすめることができた。

もともと我々はオーバーハングのあるボートで、胴周長に制限をつける方式(いわば”ミニJクラス”)を提案していた。しかし他チームのデザイナーたちがルール策定に参加するや、すぐさま全長、重量、最大幅、喫水だけで定義する方式に改められた。この変更によってハル計測が単純化されると共に、いずれの変更もボートをより速くする効果が期待できるのだ!

結果的に新クラスボートはACクラス・バージョン5.0より若干長く、同等のセールエリアと復元力を有しながらも数トン軽く出来上がった。これによって新クラスはACクラス・バージョン5.0と同等の上りスピードと、目の眩むようなダウンウィンド・パフォーマンスが約束されている。

我々は、この新クラスがこれまでに保有されてきたすばらしいボートたちの後継者に足るボートとして、アメリカスカップの世界によって心より歓迎されると信じている。

ロルフ・フローリック(アリンギ主席デザイナー):

デザイナーにとってはいつだって、新しいクラスや新タイプのボートを扱う方が、既に開発し尽くされていて重箱の隅つつくような最適化作業しか残されていない既存クラスを扱うより、ずっとエキサイティングなものだ。これは本当にチャレンジングだ。なぜなら全くのゼロからのスタートであり、誰も今まで見たこともないようなクラスとなるから、もし宿題を正しく解くことさえできれば競争力のあるボートをデザインできるだろう。ルールを隅をついて非常に競争力のあるボートをつくってくるチームもあるかもしれない。だから、これは非常に面白いことになるよ。

ジョン・カトラー(デサフィオ・エスパニョール、テクニカル・ディレクター):

全くの白紙のような状態だから、誰にとっても速いボート、或いは速くなり得るボートのデザインを思いつくチャンスがある。だから、これはすべての挑戦者チームにとって良いチャンスであると共に、デサフィオ・エスパニョールにとっても有効なものだ。

アンディ・クラウトン(チーム・オリジン、デザインチーム・コーディネーター):

新しいAC33クラス・ルールの策定は、アリンギと挑戦者チームの素晴らしい共同作業だった。新しいボートに対するビジョンは明確だった。即ち、速くなければならず、最新式で且つチャレンジングでなければならない。一方で建造やキャンペーンに法外なコストが掛かかってはならない。

ルールの策定作業はトム・シュナッケンバーグが議長を務めた数回の会議によって行われ、ルールの明文化には彼の経験が役立てられた。

すべての挑戦者の意見が採用された一方、経験豊かなメンバーによって旧ACカップ・バージョン5.0よりもずっと制限の少ないルールが策定された。

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下記はACM/アリンギが発表したACクラス・バージョン5.0とAC33の想像比較図です(左:ACC バージョン5.0、右:AC33)。

Ac337

新しい”AC33”のクラスルールの全文は下記で参照可能です。

Alinghi: AMERICA'S CUP "33" CLASS RULE Version 1.0

このAC33がそのまま次回アメリカスカップに使用されるか、或いはAC90のようにお蔵入りとなってしまうかは、残念ながらこの先予定されているニューヨーク控訴裁判所の判決を待たねばなりません・・・

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コメント

『現行のACクラス・バージョン5.0とほぼ同コストでありながら、よりエキサイティングなパフォーマンスを有する新クラスを開発することで同意した。』
素人なのでよくはわかりませんが、この通りであれば、私は歓迎です(^^)

裁判でBMWオラクルが勝って、あのトリマランが出て来ても面白いし、

楽しみです〜。

投稿: 桃源丸 | 2009年2月 2日 (月) 06時43分

新しい「AC33」ですが、基本的な最大寸法だけ決まっていてあとは自由というルールなので、なんだかイメージとして「14フッター」というディンギーみたいです。

「14フッター」はとんでもないカッ飛びヨットなので、「AC33」もそんなボートになるかもしれないですね。まぁ見るものには迫力あるボートになると思います!

でも一方で、私もモンスタートリマランのレースも見てみたいです

いずれにしろ、今年は楽しい年になりそうです。

投稿: とんべえ | 2009年2月 3日 (火) 05時10分

とんべえさん、ありがとうございます。

おぉぉ!!!
では、期待大!!!ですね〜!

ほんと、楽しい年になりそうですね〜(^^)!

投稿: 桃源丸 | 2009年2月 4日 (水) 03時19分

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