« アリンギ、策を弄する。ルイヴィトン・パシフィック・シリーズ8日目 | トップページ | クーツとバーカーの再戦はクーツの勝ち。ルイヴィトン・パシフィック・シリーズ10日目 »

2009年2月 8日 (日)

アリンギ、BMWオラクルを退ける。ルイヴィトン・パシフィック・シリーズ9日目

注目のラッセル・クーツ(BMWオラクル)対ブラッド・バタワース(アリンギ)の対決は、アリンギに軍配が上がりました。その結果、明日の対戦を残して、アリンギのラウンドロビン2のトップ通過が確定。アリンギは2月11日に行われる挑戦者決定シリーズの決勝へシードされます。

今日は各サイトへアップされている情報を元に、クーツ対バタワースの対戦で何が起きたのか、深く見ていきたいと思います。

第2レース: アリンギ(P) ○ - ● BMWオラクル・レーシング(S)

http://race37.lvps09.com

予告信号:PM4:40、風向:南、風速:10~14ノット、潮向:上潮

----------------

ポート・エントリーのアリンギは深く落としてスターボ・エントリーのBMWオラクルの前を横切り、プレスタートの主導権を握る。両艇ともライン右を狙っている模様。アリンギはコミッティボートギリギリの見事なアプローチでオラクルを抑えつつ、約1艇身リードしてスタート。

アリンギ・ヘルムス、エド・ベアードのコメント:「スタートラインはやや上有利だった。だからBMWオラクルのスターボ・エントリーのアドバンテージを帳消しにするため、彼らの前に丁度横切れるだけのスペースを見つけて突っ切ったんだ。その後のポートタックではかなり強い向かい潮だったから、サークリングできるところまで行くのに時間が掛かってしまった。カウントダウンはどんどん進んでいたから、僕らは2回サークリングしてラインへ戻ることにした。残り時間から考えて、ラインへ戻る僕らに対しBMWオラクルが良いポジションを見つけ出すのは非常に困難だった。最初彼らはジャイブしてラインへ戻そうとしているようだったけど、急に距離を開けタックに入りはじめた。その結果僕らにとってラインへ戻る道が開けたわけさ。それで僕らは彼らを抑えつつタックを2回入れてラインへ戻り、彼らは若干遅れることになった。」

スタート直後BMWオラクルがタック。アリンギも即座にカバー。数回タックの応酬が続くがアリンギは約1艇身のリードを保持。少しの間スターボーで併走した後、再びタックの応酬に入り若干オラクルが差を詰める。

BMWオラクル・タクティシャン、ハーミッシュ・ペッパーのコメント:「僕らはやや遅れてスタートした。一旦遅れると絶えず後ろから勝負しかけなきゃならない。でも僕らは決して離されることはなかった。チームはよく頑張ったと思うよ。」

タックマッチの結果、BMWオラクルはアリンギとかなり接近してきた。アリンギがスターボからポートへタックを返した直後、オラクルはラフィングに入るもアンパイアはクリアの判定。アリンギはそのままリードを保持し、13秒リードで上マーク回航。

エド・ベアード: 「数日前、僕らの前を横切った後、早すぎるタイミングでタックに入ったイタリアチームとよく似たケースだった。僕らはオラクルの前を横切って、数秒経ってからタックに入った。その直後にオラクルは風上-風下の関係へ持ち込もうとハードにラフしてきた。でもアンパイアは僕らにグリーンフラッグを出した。」

ハーミッシュ・ペッパー: 「かなりきわどいと思った。僕らはアリンギにペナルティが出ると思ったけど、アンパイアの判断は違った。」

回航後やや走った後オラクルがジャイブ。アリンギも即座にカバー。若干併走した後アリンギがジャイブ。オラクルはコースを維持し両艇やや離れる。アリンギは右ゲートを廻ろうとしている模様。オラクルも追従するかに見えたが遠い左ゲートを選択。その結果、回航後アリンギのリードは約100mまで拡大。その後両艇はタックの応酬を繰り返しながら、ポート・レイラインまで進む。両艇ポートのレイラインに乗ったところで風が右へシフト、両艇マーク回航のためさらに2タックを強いられると共に、オラクルは差を一気に縮めることに成功。アリンギ10秒リードで上マーク回航。

回航後ほどなく両艇ジャイブ。つづいてアリンギが再度ジャイブするも、オラクルはコースを維持し両艇若干離れる。両艇がジャイブバックして再び接近した時、オラクルはアリンギの後ろ数メートルまで肉薄するも相手に影響を与えるには足らず、程なくしてオラクルは再びジャイブ。アリンギはこれを放置し両艇は再び離れる。しかし今度は両艇の差がやや開き、結局オラクルはアリンギを捕らえることができず、27秒差でアリンギの勝利となった。

ハーミッシュ・ペッパー:「アリンギはよくリードを守りきったよ。最後にジャイブして離れたのは僕らの失敗だったね。だってアリンギはその後も良いプレッシャーを受けながら走っていたから。結果にはちょっとガッカリしたけど、気持ちを入れ替えて行くしかないよ。」

参考サイト:

Alinghi: Quote from the race boat in Auckland: A win against BMW Oracle

BMW ORACLE Racing: BMW ORACLE Racing keep it close in classic battle

CapInfo.com: Day 4 Round Robin 2

----------------

ショートコースであるが故、スタートで遅れると挽回はかなり難しいということが、このレースでも如実に現れたといえるでしょう。クーツの腕をもってしても、そして積極的にタックを仕掛けていっても、中々前に出るのは容易ではなさそうです。

その意味では、スターボード・エントリーのBMWオラクルの前を切るという積極策を選択し、且つそれを見事に成功させた段階で勝負の趨勢は決したといえるかもしれません。さらにその後の仕掛けにも一切動ずることなく、オラクルに付け入る隙を見せなかったアリンギの見事な勝利でした。

中々見応えのある好レースだったと思います。もしリアルタイムで見ていたら、きっと最後まで大興奮だったことでしょう。

その他のレース結果は以下の通りです。チーム・ニュージーランドがオリジンに敗れ、ダミアーニ・イタリアがまたも意外な(?)健闘を見せています。

第1レース: ルナ・ロッサ(P) ● - ○ ダミアーニ・イタリア(S)

http://race36.lvps09.com

第3レース: チーム・オリジン(P) ○ - ● エミレーツ・チーム・ニュージーランド(S)

http://race38.lvps09.com

かぜのとんべえは明日よりニューヨークへ行きます。よって今後数日間レポートをアップできないかもしれません。時間が取れれば2月10日NY州控訴裁判所で開かれる、アリンギとBMWオラクルの口頭弁論を傍聴して見たいのですが・・・

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 マリンスポーツブログ ヨットへにほんブログ村 マリンスポーツブログへ

|

« アリンギ、策を弄する。ルイヴィトン・パシフィック・シリーズ8日目 | トップページ | クーツとバーカーの再戦はクーツの勝ち。ルイヴィトン・パシフィック・シリーズ10日目 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アリンギ、BMWオラクルを退ける。ルイヴィトン・パシフィック・シリーズ9日目:

« アリンギ、策を弄する。ルイヴィトン・パシフィック・シリーズ8日目 | トップページ | クーツとバーカーの再戦はクーツの勝ち。ルイヴィトン・パシフィック・シリーズ10日目 »