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2009年3月 7日 (土)

一方法廷では・・・ BMWオラクル対アリンギの口頭弁論 (2)

さて、世界が注目しているBMWオラクル対アリンギの裁判は、近くニューヨーク州控訴裁判所で判決が言い渡される予定です。

判決は2月10日に行われた口頭弁論の結果を元に下されることになりますが、以前にもお伝えしました通り、この口頭弁論の一部始終はニューヨーク州控訴裁判所からウェブ配信されました。いまでもGoogle Videoで視聴可能ですので、あらためてここに貼り付けておきます。

実際口頭弁論終了直後からBMWオラクル、アリンギ双方がウェブサイト上で"勝利宣言"を出しており、現段階で判決を予測することは甚だ困難です。

これに対し、ニューヨークを拠点として活動する弁護士であり、ニューヨークにおける裁判事情やスポーツに関しても詳しいコリー・E・フリードマン氏が、この口頭弁論に対する分析をがScuttlebuttへ寄稿していますので、ご紹介しようと思います。なにしろ非常に長文ですので、数回に分けてアップします。

ちなみに、この口頭弁論でBMWオラクル(ゴールデンゲート・ヨットクラブ)の代理人として法廷に立ったマウリーン・マホーニー女史は、かつてブッシュ(父)政権期に37歳の若さにして米国司法省の訟務副長官に任命されたほど優秀な弁護士です。

Scuttlebutt: Part 34 - Where were you on February 10th?

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ニューヨーク州控訴裁判所で開かれたアメリカスカップを巡る裁判の口頭弁論を見て、今まで多くの人々が、ああでもない、こうでもないといい加減な意見を述べているが、私は自分自身の考えをはっきりとさせるため弁論を実況で見聞し、またウェブ配信も2度視聴した。そもそも自分自身がどちらを支持しているかによって、容易に誤った弁論分析をしてしまいがちだが、それは私の意図するところではない。これは、双方の弁論の内容とそれに対する裁判官たちの反応や質問を、弁護士として実際に数多くの裁判で法廷に立ち、また数多くの裁判を傍聴してきた私の経験に基づいて判断した分析結果である。100%完全に客観的な判断を下すことは不可能だが、私なりの意見を披露したいと思う。

マウリーン・マホーニー(ゴールデン・ゲート・ヨットクラブ代理人)は素晴らしいパフォーマンスを見せた。彼女は必ずしも完璧ではなかったし、幾つかのチャンスを逃しはしたが、それでも彼女の安定した弁論は充分素晴らしいものだった。間違いなく彼女は、アメリカ大統領の行方が懸かっていたブッシュ対ゴア事件におけるデイビッド・ボイズとテッド・オルソンを遥かに凌いでいた。彼女が展開した弁論は、よくできていたが驚くほどでもなかった提出書類の内容よりずっと素晴らしいものだった。口頭弁論に向けた準備の中で、彼女は争点の本質を明確に絞り込んできていた。それはスミス判事にも受け入れられ、またもしかすると裁判の行方を決定付けるものとなるかもしれない。これについては後述する。

Maureen_mahoney_2

ゴールデンゲート・ヨットクラブ代理人 マウリーン・マホーニー弁護士

裁判所は対応に追われていた。広報担当はテレビや他のメディアのための準備に奔走していたし、裁判所の公式サイトでは、裁判の模様がウェブで配信されることが伝えられていた。裁判官たちは提出書類に目を通すのみならず、独自に予習を済ませてきていたし、傍聴席にも熱気が溢れていた。その熱気溢れる傍聴席の関心に応えることこそが、双方の弁護士による弁論よりも判事たちの重視していたことだった – 法廷は正にそんな感じだった。

マホーニーは、かつてこの裁判所が下したマーキュリーベイ判決(註:1988年サンディエゴ・ヨットクラブに対し、ニュージーランドからの挑戦を受けるように指示した判決。この判決により”世紀のミスマッチ”と呼ばれたデニス・コナーのカタマラン版”Stars & Stripes”とニュージーランドの巨大艇”KZ1”による第27回アメリカスカップが開催された。)の引用から始め、すぐさま彼女が拠り所とする贈与証書の解釈へ移った。以前から私が指摘してきたように、判事がどういった方向から質問をしてくるかは全く予測不可能であり、いかなる”兆し”も判事がそのとき何を考えているかを写すスナップ写真でしかない。そもそも判事の考えなど口頭弁論が終了した後、180度変わってしまうことすらある。それを差し引いたとしても、質問内容は非常に厳しいものであったにも関わらず、あたかも「私はこの問題で困っているんです。どうか助けてください。」といわんばかりに、マホーニーと判事たちは友好的に見えた。マホーニーは判事たちの求める疑問に、てきぱきと答える協力的な代弁者であった。彼女は法的な決まり文句を使うことを避け、絶えず贈与証書の文言を引用して返答した。

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コメント

精力的な活動に敬意を表します。おかげさまで、日本人も公正な見方をできます。
願いは一つです。本当に強いチームはどこ?だけです。

投稿: dragon | 2009年3月 7日 (土) 05時44分

dragonさん、こんにちは。

本当に強いチームはどこなのか、これが基本となることには、私も100%同意します。

だから私も最初オラクルが本件を法廷に持ち込んできたとき、なんだか趣旨とずれている気がしていました。実際オラクルは自力でのカップ奪取に失敗し続けている訳ですから、実力がないのは事実です。

でも、オラクルとアリンギの争いを見ているうちに、本当に強いチームを選ぶルールが不公平なものだったら???と思うようになりました。

私は余り昔の事をしらないのですが、例えばオールドファンだったら、昔のニューヨーク・ヨットクラブだって、あこぎな手を使ってカップを130年も守ったといわれるかもしれません。

でも主催者側が自分に有利なルールを作ろうとしているなら、それは現代スポーツでは受け入れ難いことのように思います。ましてヨットレースの最高峰であるからには、やっぱり公正なルールの下で争って欲しいと思うのです。

オラクルのやり方にも問題はあると思いますが、アリンギが話し合いに応じない以上、結局法廷に持ち込む以外なかったのではないか・・・

この分析記事を読み進みながら、そういう気持ちを抱き始めています。

ではでは。

投稿: とんべえ | 2009年3月 8日 (日) 20時42分

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