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2009年6月25日 (木)

ルイヴィトンが再びアメリカスカップを救う。

開催地がどこになるか、レース運営やジュリーは誰が担当するか、使用艇の計測はどうなるか等々、まだまだ問題山積みの次回アメリカスカップですが、それでも来年2月に開催されることだけはニューヨーク州最高裁の命令により確定しています。

しかし、その第33回アメリカスカップでアリンギ或いはBMWオラクルの何れが勝利するとしても、多数チームが参加する従来通りのアメリカスカップ開催は、早くとも2011年まで待たねばならないと見られています。

一方、エコブームによる後押しも受け、セーリングスポーツは現在世界的(特に西欧諸国)に大きな盛り上がりを見せており、ボルボ・オーシャンレースは世界中の注目を集めると共に世界各地の寄港地で多くの観客を集め、またヨーロッパではアウディ・メッドカップに代表されるサーキットシリーズが華盛りです。(日本のヨット界は高齢化の一途で衰退傾向にあるため、日本に居ると中々わかりづらいのですが・・・)

このような状況下にもかかららず、ヨットレースの最高峰たるアメリカスカップは上記のごとく最悪2011年までこの世界的ムーブメントの蚊帳の外に置かれることになりかねません。

かかる事態を憂慮し、現状を打開するためルイヴィトン・パシフィックシリーズを開催したルイヴィトンでしたが、再びアメリカスカップのためのイベント開催を目指して関係各方面と調整中であり、近くその詳細が発表されるということです。

Sail-World.com: Final decision pending on Louis Vuitton World Series

Sail World のグラドウェル記者によると、現在ルイヴィトンの主導により検討が進められている新シリーズは、アメリカスカップクラスボートを使用して各地を転戦するというルイヴィトン・アクトのコンセプトを踏襲したものであり、2010年1月香港を皮切りに、2月或いは3月にニュージーランドのオークランド、そして2010年中にさらに2箇所、恐らくアフリカ(!)とアメリカのニューポートで開催されるであろうということです。特にアメリカでの開催は、アメリカスカップへの興味が失われつつある同国にとって重要な意味を持つでしょう。

この新しい”ワールドシリーズ”の形式は、チーム・ニュージーランドが決勝へ自動的にシードされたという点を除いて、基本的にルイヴィトン・パシフィックシリーズで採用されたものを踏襲し、その位置づけとしてはワールド・マッチレース・ツアーとアメリカスカップの中間に位置するものとなるということです。

レースに使用されるボートは、前回アメリカスカップに使用されたACボート・バージョン5であり、ルイヴィトン・パシフィックシリーズ同様参加チームに貸与されます。この結果、参加各チームは参戦コストを大幅に削減することが可能で、これは同時にスポンサー獲得を容易にするものです。(ちなみにこの記事によると、3週間に渡ったルイヴィトン・パシフィックシリーズへの参加コストは、1チーム当たり約US$250,000(2,500万円)だったということです) また多くが開店休業状態にある既存の各アメリカスカップチームにとっても、活動を再開する良いチャンスとなります。

一方、世界的に盛り上がりを見せているセーリングブームに対しても、ルイヴィトン・パシフィックシリーズ同様バーチャルアイやウェブTVを駆使してのパブリシティを展開し、ボルボ・オーシャンレース等に奪われつつあるセーリングファンの注目を、再びアメリカスカップへ引き戻すことも視野に入れられているということです。

もちろんこの計画の中心にいるのはルイヴィトンのブルーノ・トルブレであり、彼のアメリカスカップに対する情熱には、いつもながら頭が下がります。

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Photo Copyright: Chris Cameron/Sail-World.com

ということで、来年はマルチハルによる第33回アメリカスカップと共にACボートを使用したワールドシリーズの開催と停滞していたアメリカスカップがようやく大きく動き出す年となりそうです。

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