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2009年9月 9日 (水)

ルイヴィトンの目指すもの - ルイヴィトン・ワールドシリーズ開催決定

9月8日、ルイヴィトンはパリにて記者会見を行い、アメリカスカップ・クラスボートを使用した新たなマッチレースサーキット「ルイヴィトン・ワールドシリーズ(LVWS)」を今秋から来年に掛け開催すると発表しました。

Valencia Sailing: Louis Vuiton announces creation of LV World Series

Valencia Sailing: Official presentation of the Louis Vuitton World Series

Yachting World: Louis Vuitton World Series launched

ルイヴィトンの発表によると、2年以上に及び停滞しているアメリカスカップの現状を打破する為、世界の主要プロフェッショナル・セーリングチームによって結成される新組織「ワールド・セーリングチーム・アソシエーション(World Sailing Team Association: WSTA)」と共催で、新たなサーキットシリーズを立ち上げるということです。

記者会見には、イブ・カルセル(ルイヴィトンCEO)、ブルーノ・トルブレ(ルイヴィトン代表)、クリスチャン・エストロシ(ニース市長)、グラント・ダルトン(エミレーツ・チーム・ニュージーランドCEO)、ステファン・カンドラー(K-チャレンジCEO)らが出席し、シリーズの詳細を発表しました。

参加チーム:

「ワールド・セーリングチーム・アソシエーション(World Sailing Team Association: WSTA)」には、現在下記8チームが参加する予定となっています。

  1. BMWオラクル・レーシング(アメリカ)
  2. エミレーツ・チーム・ニュージーランド(ニュージーランド)
  3. シナジー(ロシア)
  4. アルテミス(スウェーデン)
  5. K-チャレンジ(フランス)
  6. マスカルツォーネ・ラティノ(イタリア)
  7. チーム・フレンチスピリット(フランス)
  8. ジョー・フライ(イタリア)

オラクル、チーム・ニュージー、K-チャレンジ(アレバがスポンサーを降りたため、旧名に戻った)、マスカルは、ご存知の通り前回2007年の第32回アメリカスカップへ参加したチームです。

一方、シナジーとアルテミスはそれぞれ地中海サーキット、アウディ・メッドカップに参戦しているチームであり、特にアルテミスはラッセル・クーツが時折タクティシャンとして搭乗する有力チームです。同時にアルテミスはラッセル・クーツの主催するRC44サーキットにも参戦しており、こちらにはチーム・ニュージーランドのディーン・バーカーがクルーとして乗り込んでいます。

フレンチスピリットは当ブログでも度々お伝えしたとおり、マーク・パジョがアメリカスカップ参戦の為結成した新チームであり、またジョー・フライはイタリアの新鋭セーラー、バスコ・バスコットが率いるチームです。

この内、オラクル、ニュージー、シナジー、アルテミスの4チームがWSTAの中核となり、重要案件の決定に際して、それぞれ1票の評決権を有しています。また、その他の4チームで1票、さらにルイヴィトンが1票を有するということです。

WSTAは最終的に10チームでのサーキット開催を目指しており、残る枠は2つです。これに対し、今のところアリンギが加わる予定はありません。また、チーム・オリジンとルナロッサの参加も検討されているということですが、現段階では未確定です。

開催地:

ルイヴィトンとWSTAは、現在6~7戦でのサーキットを構想中です。

第1戦は2009年11月7~22日にフランス、ニースで開催されます。第2戦は2010年2月最終週~3月にニュージーランド、オークランドで開催。第3戦は2010年5月にイタリアにて開催される見込みです。

この他の開催地として、バレンシア(スペイン)、アテナ(ギリシャ)、ニューポート(アメリカ)、ケープタウン(南アフリカ)、アブダビ(アラブ首長国連邦)、香港(中国)が候補に挙がっています。

また毎戦ホストチームが定められ、イベントをサポートします。ニースでの第1戦はK-チャレンジがホストチームを務めることが決まっています。前述の候補地の中には、WSTAのメンバーが存在していない国が含まれていますが、これらの国では、出場枠が空いていれば、ローカルチームがワイルドカードとして出場することも検討中とのことです。

使用ボート:

レースにはアメリカスカップクラスボート(IACC)バージョン5が使用され、地中海でのイベントには、マスカルツォーネのITA-90、ITA-99、及びデサフィオ・エスパニョールのESP-88、ESP-97が使用されます。

新たな法廷闘争の可能性:

記者会見においては、今回のシリーズ立ち上げが新たな法廷闘争の火種となる可能性についても言及されました。

即ち、ACボートを使用することにより、現在のアメリカスカップ保有者アリンギから、また「ワールド」という名称を使用することにより、ISAFからクレームがつくという可能性です。

これに対しトルブレとダルトンは、アリンギ、ISAF、ならびにワールド・マッチレース・ツアー関係者と交渉を繰り返し、アリンギからは協力もしない代わりに反対もしない、またISAF、ワールド・マッチレース・ツアー関係者からは、本サーキットの勝者は「世界チャンピオン」ではなく、あくまで「ルイヴィトン・”ワールド”シリーズ」の勝者であるということで理解を得ているとしています。

この新しいシリーズが、来年2月に予定されている次回アメリカスカップとどのように絡んでくるか、もう少し時間をかけて見守って行きたいと思います。

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コメント

やっぱり前哨戦というか冠レースがないと物足りないし、LV側の宣伝にもならないんでしょうね

投稿: YUTA | 2009年9月15日 (火) 11時34分

そうなんですよ。やっぱり”アメリカスカップ”という冠があってこその”ルイヴィトン”カップなのだと思います。

確かにレースそのものは非常に見応えあるものになると思うのですが、自分自身の中で何か今ひとつしっくり来ない感じがするんですよね・・・

アメリカスカップ本体の成り行きも含め、もう少し時間をかけて見ていく必要がありそうです。

投稿: とんべえ | 2009年9月16日 (水) 07時49分

バスコはjoe flyでないでしょ?

投稿: | 2009年9月19日 (土) 06時13分

Valecia Sailingは

"Joe Fly is headed by Vasco Vascotto"

と報じていますので、そのまま引用しました。

ジョーフライの詳細をご存知なら、教えていただけませんか?

投稿: とんべえ | 2009年9月19日 (土) 07時24分

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