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2009年9月 6日 (日)

第33回アメリカスカップ 計測手順書

※この記事は2009年9月6日段階の情報であり、アメリカスカップの最新情報に関しては、当ブログのトップページ、或いは左に記載されている最近の記事をご覧ください。(2010年1月追記)

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Img_0301b

今回の「BOR 90」の上架に関し、BMWオラクルから正式な発表がありました。

BMW Oracle Racing: BOR 90 undergoes scheduled maintenance and development.

この発表によると、今回の上架は定期点検が目的であり、今週後半には下架され海上テストを再開するということです。

これに対し、セーリングアナーキーのACフォーラムでは、この発表を額面どおりに受け取るか否か、色々な意見が飛び交っています。

ただ、発表どおり数日で再び海上へ戻されるなら、この短期間でパワーウィンチを搭載することは困難ではないかという意見が大勢です。恐らくセンターラダーの改造も困難でしょう。

一方、左右アマとフォアビームの接合部上で進められている作業に関し、何らかの補修が必要となったのではないかという意見も出ています。

確かに、先日当ブログでもアップした「左右アマがねじれている写真」を見ると、クラックが入り、補修或いは補強が必要となった・・・としても不思議ではありません。昨日グラインダーで何かを削っているところを見ましたので、何らかのCFRPの補修が行われている可能性はあります。

ともかく何か判明したら、セーリングアナーキーのメンバーがフォーラムに投稿するでしょうから、当面楽しみにしておきましょう。

さて、BMWオラクルの所属母体、ゴールデンゲート・ヨットクラブ(GGYC)が先日ニューヨーク州最高裁判所に再び提訴した原因となっているのが、アリンギの所属母体であるソシエテ・ノーティーク・ドゥ・ジュネーブ(SNG)から、GGYCへ送付された計測手順書であることは、以前お伝えしたとおりです。

ここで改めて、その計測手順書の内容を見てみましょう。

同手順書は下記アリンギのサイトから参照することができます。この内、2ページ目が具体的な計測手順を示しています。

Alinghi: Measurement Procedures for the 33rd America’s Cup published

090806_sng_letter_to_ggyc_remeasure

この日本語訳を以下に記します。

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SNG制定 第33回アメリカスカップ計測手順書

2009年8月6日

  1. 本計測における「満載水線長」とは、ヨットの中心線と水線上におけるヨット最前端部の交点での垂線、及びヨットの中心線と水線上におけるヨット最後端部の交点での垂線の距離を指す。
  2. 本計測における「満載船幅」とは、ヨットの中心線と平行な線と水線上におけるヨット右舷側最外部の交点での垂線、及びヨットの中心線と平行な線と水線上におけるヨット左舷側最外部の交点での垂線の距離を指す。
  3. 計測時において、センターボード或いはスライディングキールが船舶の一部と見なされることはない。「喫水」は、これらセンターボード或いはスライディングキールが完全に上げられた状態で計測される。
  4. 「満載水線長」「満載船幅」「喫水」はヨットが「満載状態」時に計測される。
  5. 「満載状態」とは、ヨットがレース中に使用する全ての機材を搭載した状態を指し、これには全てのセイル、スパー、コンピュータ、予備部品、消耗品、アンカー、シート、安全備品、そしてクルーを含めること。上記全ては通常の位置にあること。計測中に使用されるバラストも、レース時と同じ位置にあること。
  6. 「最大幅」は、米国沿岸警備隊 国立船舶資料センターのウェブサイトにて公開されている手順に則り計測される。
  7. 計測に際してヨットは、対戦地における計測委員の指示する場所において、重力加速度1.025の条件下、静水上に「満載状態」で浮かべられる。

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ご覧のように、「満載水線長」は船体中央線における水線長として定義されています。これを文言通りに解釈すると、センターハルにアウトボードで搭載されている「BOR 90」のラダーもこれに含まれることになると考えられています。

実際問題、ラダーの位置はボートバランス上、非常に重要なファクターですから、おいそれと変更するわけには行かないでしょう。

戦術的に考えると、このルールによりオラクルへ改造を強いることができれば、開発の遅れが懸念されているアリンギにとって、挽回のチャンスを生むことなります。

色々な意味で、駆け引きは続いているといえますね。

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