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2009年9月 3日 (木)

正義はどこに? アメリカスカップは再び法廷対決へ

BMWオラクル・レーシングの所属母体であり、次回アメリカスカップの挑戦者として認定されているゴールデンゲート・ヨットクラブ(GGYC)は、米国時間の9月2日次回アメリカスカップに使用されるボートの計測方法、並びにレースルールに関し、再びニューヨーク州最高裁判所へ提訴しました。

GGYC: GGYC Statement Dated: Sept 2, 2009

GGYC: Memorandum of Law Dated: Sept 2, 2009

BMWオラクルのスポークスマン、トム・イーマンによるステートメントの内容は、以下の通りです。

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我々は第33回アメリカスカップが贈与証書に従って運営されることを保証する手順を踏むようニューヨーク州最高裁判所に対し提訴を行った。

我々が本提訴に至った理由は明確である:ルールを不当に操ろうとするソシエテ・ノーティーク・ドゥ・ジュネーブ(SNG)による昨今の行動は、スポーツ界で最も古いトロフィーの保持者としてあるまじき行動だからである。

本日の提訴においてゴールデンゲート・ヨットクラブ(GGYC)は、SNGが提示した計測規則がGGYCを失格に追い込む内容となっているのに対し、GGYCを失格とするようなルールは制定しないと法廷において約束したSNGの立場を維持するよう求めるものである。

さらに、GGYCはSNGに対し、贈与証書に準拠したアメリカスカップの対戦ルールを制定するよう求めるものである。またGGYCは依然公開されていないSNGと国際セーリング連盟(ISAF)の密約を公にするよう求めるものである。

特に今日の提訴において、GGYCは裁判所に対し以下の案件を明確化するよう求めた。

  • GGYCの挑戦艇は挑戦状に記載された寸法を超えないことが求められるだけであり、贈与証書も挑戦状の寸法と寸分違わぬことを求めてはいない。
  • 満載水線長(LWL)を計測する際、ダラーは含められるべきでない。SNGは1世紀以上に渡り実際にアメリカスカップで行われてきたこと、並びにISAFが定める計測基準を覆そうとしている。
  • LWLは実際に艇がレースを行う際に保有する最大重量時の水線長であるべきである。
  • 対戦はISAFのルールに則って行われるべきである(ただし、既に裁判所が贈与証書と矛盾すると規定した、ISAFレース規定49-54を含む艇の設計に対する制限条項は除外する)。さらに、ルール上の如何なる変更も、GGYCとの合意、並びにISAFの認可をもってなされるべきである。
  • SNGとISAFの密約に関し、既に裁判所は秘密扱いを取りやめるよう指示している。従って、公開されるべきである。

更にGGYCは本日2009年7月29日付の判決に対する控訴も行った。

我々は2010年2月に開催される第33回アメリカスカップにおいて闘えることに興奮し続けている。そして全速で準備を進めている - 例えフェアで闘い甲斐のあるルールを実現するための闘争をつづけることになるとしても。

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今回の提訴に先駆けた8月20日、GGYCはチーム・ニュージーランドの顧問弁護士を自らの弁護団に迎えています。

GGYC: GGYC Statement Dated: Aug 20, 2009

Sail World: Team NZ's US lawyer joins BMW Oracle Racing legal team for new fight

従って、今回の提訴はチーム・ニュージーランドの支持を得たものと考えられます。

また、世界最大のセーリング関連情報サイト、スカトロバットにおいて、このGGYCとSNGの2年以上に渡る法廷対決を解説してきてたニューヨークの弁護士、コリー・フリードマン氏も、今回のGGYCの提訴に合わせる形で、SNGとISAFの密約に対し疑問を呈する提訴を行いました。即ち、”正しいスポーツのあり方を取り戻すため、我々も法廷へ向かおう!”ということです。

Scuttlebutt: GOING TO COURT FOR THE SPORT

確かに、これ以上の法廷対決には正直うんざりするところもありますが、防衛艇に勝手にエンジンを搭載したり、オラクルの挑戦艇が中~強風域向けと見るや、超軽量ボートを作成し、対戦の会場に前代未聞の中東という場所を選定したりという昨今のアリンギの行動には、セーリングファンとして憤りすら感じます。

この際トコトン闘って、2007年の前回大会直後、アリンギが不公平なプロトコルを発表して以来、すっかりおかしな方向に進みつつあるアメリカスカップを、何とか正しい方向へ戻して欲しいと願うばかりです。

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