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2010年2月15日 (月)

次に来るもの - 親分登場!

バレンシアで何が起きたのか、現地で取材されている西村一広さんがレポートをされています。

西村一広 風の旅人Sailing Diary: 2月15日 バレンシア

さすが、各関係者と深い親交のある西村さんのレポートはとても興味深い。「KAZI」や「Tarzan」の記事が楽しみになってきました。

BMWオラクルがカップを奪取してから一夜が明け、今回の対戦は一体なんだったのか、ブログ主とんべえは色々と考えています。

法廷闘争の果てにアメリカスカップを勝ち取ったBMWオラクルのやり口に対し、異論を唱える向きがあるのも事実です。

しかし、そもそも今回このような対決に至った発端は、2007年に行われた第32回アメリカスカップの直後、実体のないペーパーヨットクラブであるクルブ・ナウティコ・エスパニョール・デ・ベラ(CNEV)を次回大会の挑戦者代表(COR:チャレンジャー・オブ・レコード)に据え、ジュリーやアンパイアを意のままに決められるプロトコル(大会運営議定書)を制定し、また充分な議論も事前の情報公開もなく、新しいACクラス「AC90」を一方的に発表するという行動をエルネスト・ベルタレリが取ったことにあります。

その前年ベルタレリは、祖父が創立したヨーロッパ最大のバイオテクノロジー企業「セロノ」を売却し、今後はカップで食っていこうとしているかのようでした。カップをネタに様々なビジネスを展開する一方で、自らの方針に合わない者は排除するという行動をとり、ラッセル・クーツは半ば追われる形でアリンギを去り、また長年にわたりアメリカスカップを支援してきたルイヴィトンもカップから去っていきました。

第32回大会に出場した多くのチームも、当初はこのアリンギのやり方に異議を唱えていたのですが、カップを盾に次回大会へのエントリー不受理をちらつかせるアリンギに、最後は従わざるを得ませんでした。

この専横に対し最後までノーと言い続けてきたのがBMWオラクルであり、今回の対戦はその延長線上にあるものです。

従って、今回の結果を表面的に見ると、今まで挑戦者セレクションシリーズに勝ち残ったことすらないBMWオラクルが、アメリカの司法制度を駆使して挑戦者代表に納まり、大金を注ぎ込んだモンスターボートでカップを奪取したということになりますが、ここに至るまでの経緯を一つ一つ見ていくと、そんな単純な話ではなかったのではないか・・・と思います。

逆に言えば、"正義"を振りかざしてカップを奪い取ったBMWオラクルには、これまでの言動に反しない形で、一刻も早く事態の正常化を行う責任があります。これから彼らがどういった第34回大会を目指していくのか、注意深く見守っていく必要があるでしょう。

さて、その次回大会に向けた基本方針となるプロトコルを策定する上で、重要な位置を占めるのが、挑戦者代表:チャレンジャー・オフ・レコードです。

これに関しては、西村さんがレポートされているように、イタリアのマスカルツォーネ・ラティノとなることが有力視されています。

これに対し、セーリングアナーキーがマスカルツォーネ代表であるビンチェンツォ・オノラートに直撃インタビューを行っています。

多くの挑戦者チームがカップを担保に取ったアリンギに従っていった中で、殆ど唯一マスカルツォーネだけが、BMWオラクルを最後まで支持し続けていました。その代表であるオノラートは歯に衣着せぬ言動の人物であり、裁判の結果BMWオラクルが正式な挑戦者として認定された際にも、以下のようなコメントを発表していました。

かぜのたより アメリカズカップ情報編: アリンギ、地獄へ落ちろ!- BMWオラクルの勝訴に対する関係者のコメント

セーリングアナーキーのインタビューの中で、BMWオラクルのベースに出入りしている理由を尋ねられたオノラート親分は、「旧友であるラッセル・クーツと、どの赤ワインが一番美味いか議論してただけだ」と答えています(6:44辺りから)。

全く食えないオッサンです

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コメント

挑戦者は親分に決まったようですが、さあ次の動きはいつあるんでしょう!
馬鹿みたいな、それでいて夢のあるモンスターマルチのマッチを観てしまった以上もう昔には戻れないし
もう1回既存クラスを使って早々にするか、経済状況も踏まえて新しいのを腰を据えて開発するか?
まあ最初にすべきは贈与証書の改訂と生産国規定の緩和ですかね

投稿: まなてぃ | 2010年2月15日 (月) 14時35分

まなてぃさん

そうなんですよ、2年半の法廷闘争の初期では、「もしオラクルがアリンギとの一騎打ちに勝利したら、既存クラスを使った次々回大会を早急に開催する」とクーツ自身も語っていたのですが、今の動きを見ていると、どうやらそのアイデアは捨て去られたようです。

また、贈与証書の改訂にもクーツは言及していましたが、こちらに関しては、今後の動性を見守る必要がありそうです。オラクルの立場をニューヨークヨットクラブも終始支持していましたから、可能性は充分あるのではないでしょうか?

とにかく、これからどうなるか、楽しみに見ていきましょう!

投稿: とんべえ | 2010年2月25日 (木) 05時27分

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