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2010年2月 6日 (土)

The Ego Duel - 真実とは何だ?

現地バレンシア時間の2月5日(金)、アリンギ、BMWオラクルともベースに報道陣を引き入れ、プレスカンファレンスを行いました。

まず、アリンギ側のプレスカンファレンスの映像はこちらです。

この中で、アリンギのオーナー、エルネスト・ベルタレリは、ロイック・ペイロンと共同で防衛艇「アリンギ5」のヘルムを取ることを正式に表明しました。

一方のBMWオラクル側のプレスカンファレンスの映像はこちらです。

Watch live streaming video from bmworacleracing at livestream.com

こちらは50分近いプレスカンファレンスを最初から終わりまでノーカットで観ることができます。この中で、オラクルのオーナー、ラリー・エリソンは、バレンシア入りしてからチームに挑戦艇「USA」の軽量化の為、搭乗を遠慮するように言われ、渋々受け入れたと語っています。

エルネスト・ベルタレリとラリー・エリソン、この2つの強烈な個性の対立が、今回の対戦の原因となっているのは間違いありません。ベルタレリが20年近くレマン湖を中心としたレースで活躍してきたのに対し、エリソンもマキシ「サヨナラ」で輝かしい成績を残しており、2人とも単に金を出すだけではなく、セーラーとしても一流の存在です。

当ブログでは、ここ数日ベルタレリを擁護する論調の意見を掲載してきましたが、本当のところブログ主とんべえは、BMWオラクルの主張を全面的に支持しています。

何故なら、今回アメリカスカップが2年半に渡り混乱に陥った最大の理由は、アリンギが実体のない傀儡ヨットクラブ、クルブ・ノウティコ・エスパニョール・デ・ベラ(CNEV)を挑戦者代表に据え、ジュリー・アンパイア・レース委員会の選任・解任、新しいクラスルールの策定、さらには挑戦ヨットクラブの失格等々、フェアな競技運営には欠かせない多くの事案を、実質独断で決定できる議定書(プロトコル)を作り上げ、第33回アメリカスカップの運営を全て意のままに行おうとしたことが、発端であったからです、

これらの経緯に関しては、2007年から続く当ブログで随時に詳しく記してきましたので、それらをご覧になれば、ご理解いただけると思います。

アメリカスカップの憲法である贈与証書が、防衛ヨットクラブに圧倒的な特権を認めているのは事実ですが、そもそも贈与証書自体19世紀の産物であり、高度に進化した現代スポーツには全く合わない存在となっていることも事実です。

防衛者が全てのルールを司るということは、極論すれば、F1の世界でブラウン・メルセデス・・・というとピンと来ないので(失礼!)、例えばフェラーリがチャンピオンになったとしましょう。そのフェラーリが翌年のレギュレーションを単独で自由に決められるとか、サッカーのワールドカップで頂点に立ったイタリアが、次回大会の運営方針を単独で決められるとか、或いは内藤大助を破ってチャンピオンとなった亀田興毅が、次回対戦のルールを自分で決められるとか、そういった類の話なのです。(もちろん、アメリカスカップの本質はヨットクラブ対ヨットクラブの国際親善試合なので、上記の競技と事情は異なりますが、たとえ話として・・・)

よって、公平なルールの下で競技を行おうとすると、防衛者=大会運営者とスタイル自体に、もはや無理があります。

もちろん、ヨットレースの最高峰であるアメリカスカップの防衛者は、世界中のヨットクラブの頂点に立つ者として、尊重されるべきであることは間違いありません。しかし、だからといって、何をしてもよいということではないはずです。正にラッセル・クーツが言う如く「確かにカップを勝ち取ることは容易なことではない。しかし、不可能であってはならない」のです。

今回の対戦は、世界中から「大富豪同士の醜いエゴの張り合い」と揶揄されてきましたが、本当の真実とは何か、これから始まる戦いを見ながら考えてみたいと、とんべえは思っています。

さて、両チームのプレスカンファレンスから一夜明けた2月6日、バレンシアでは両チームのオーナー同士による記者会見が予定されていました。そこで、対戦を前にしたベルタレリとエリソンが互いに握手することになっていたのですが、ラッセル・クーツの会見場入りを拒否されたエリソンが出席を拒否。結局ベルタレリだけが出席する異常事態となり、ベルタレリはエリソンの対応を激しく非難しています。

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Photo Copyright: Guido Trombetta / Alinghi

その一方でアリンギは先日のインターナショナル・ジュリーによる審問結果をうけたレース公示と帆走指示書の再修正版を発表しましたが、ジュリーが撤廃の決定を下した風速・波高の制限に関し、安全面の問題を理由に、裁定を全く無視した形で「風速15ノット以上、波高1メートル以上ではレースを行わない」との条文を、元通り残しています。

アリンギはフェアではないといいながら、一向に握手すらしようとしないエリソン。BMWオラクルは卑怯で、我々は被害者だといいながら、相変わらずルールを自分に有利な方向へ仕向けようとするベルタレリ。

このエゴ対決の行方は、一体どうなるのでしょうか?

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開幕が迫ってきましたので、アメリカスカップの放映予定についてまとめておきます。

1. 第33回アメリカスカップ公式サイト

無料ライブ放送が大会の公式サイトから配信されます。メールアドレスの登録とソフトのダウンロードが必要です。

http://33rd.americascup.com/en/regate/regarder-la-course/show.php

2. BMWオラクルレーシング

BMWオラクルも独自の実況配信を行います。

http://www.livestream.com/bmworacleracing

3. ESPN360.com

米国内のみが対象ですが、スポーツチャンネルのESPNがウェブ実況を行います。なお、ESPN360を視聴できるプロバイダに入っている必要があります。ちなみに今回米国でもこのネット配信だけで、初めてアメリカスカップのTV中継がなくなるという事態になっています。

http://espn.go.com/broadband/espn360/index

4. Boats on TV

内容は公式サイトと同じようです。ストリーミングがスムーズな方を選べば良いと思います。

http://www.boatson.tv/

5. セーリング・アナーキー

なんとまぁ、セーリング・アナーキーも独自の実況をしてくれるそうです。こっちのコメントも面白そうです。

http://www.sailinganarchy.com/otwa/33rd_americascup.php

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追記:

ブログ主とんべえは、大会運営者へこっそりプレスパスの申請をしていたのですが、どうやら受理されていたようです。もっと早くにわかっていれば、本当に現地入りしたのに

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コメント

わーーー。w(゚o゚)w

残念! プレスボート乗れたかもしれませんねー。

投稿: dragon | 2010年2月 6日 (土) 23時55分

とんべえさん これまで大変ありがとうございました。
長い道のりを経て、明日いよいよ世紀の一戦が始まります。
この戦いの結果はどうあれ、ACカップの新しい未来がやってくることを
期待します。

まずは、明日です、今夜は眠れないです。

投稿: 海カエル | 2010年2月 7日 (日) 06時33分

後もうすぐですね。

長かったゴタゴタに終止符を打つ為にもBMORには頑張ってほしい。
まあ、勝ったら変ってしまうってことは無いよね>>ラリー 笑

投稿: まなてぃ | 2010年2月 7日 (日) 07時12分

>dragonさん

いやぁ、マイルもたまっていたので、バレンシアまでタダで行けそうだっただけに、ホントに残念でした。

でも、プレスボートに乗せてもらうのも、結構高いお金を払わなければならないみたいだし、今回のレースは海上から追っかけても、全容が把握できなさそうですから、皆さんと一緒にウェブ観戦で行こうと思います。

このブログのお陰でBMWオラクルの広報責任者とも知り合いになったので、次回大会がサンフランシスコで開催されることになったら、是非見に行きたいと思います。

ちなみにアリンギが勝ったら、やっぱり次回は中東ラアス・アル・ハイマということをベルタレリは言い出してるみたいです。勘弁して欲しいな~・・・

投稿: とんべえ | 2010年2月 7日 (日) 08時03分

>海カエルさん

コメントありがとうございます。

いや、ホントいよいよですね!日本だと丁度夕方ですが、こちらからだと夜中になるので、逆に寝過ごしてしまわないか心配です

クーツは、もしオラクルが勝利した場合、贈与証書の修正を提案することを示唆していました。

いずれにしても、これだけのゴタゴタがあったのですから、これを次回に活かして、新しい未来を開いて欲しいものですね!

では、明日はみんなで盛り上がりましょう!

投稿: とんべえ | 2010年2月 7日 (日) 08時06分

>まなてぃさん

本当に長いゴタゴタでしたね。ここで本当におしまいとなるかどうかは、まだわかりませんが、とにかく世紀のモンスター対決です!

もしオラクルが勝てば、恐らくルイヴィトンとジョイントして、新しいルイヴィトン・アクトを世界中で開催するだろうとおもいます。

ラリーは親日派だし、その場合、是非日本でも開催して欲しいですね。既に香港が組み込まれていますから・・・

投稿: とんべえ | 2010年2月 7日 (日) 08時11分

アメリカズカップの故郷サーキットなんてやらんですかね
カウズから始まってNYサンフランシスコサンディエゴオークランドパース途中で上海ドバイ寄ってバレンシアに戻るなんて

投稿: まなてぃ | 2010年2月 7日 (日) 15時59分

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