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2013年7月21日 (日)

これがウィングセールの底力か!

7月7日に開幕したルイヴィトンカップも、今日がラウンドロビン3の最終戦。

AC72を建造し、ここまで残った挑戦者3チームの内、アルテミス(スウェーデン)は5月の転覆事故で1号艇を大破、依然2号艇の準備が整わず欠場中。ルナロッサ(イタリア)は安全対策に伴うルール変更に抗議して、初戦をボイコット。唯一エミレーツ・チームニュージーランド(ETNZ)だけが初戦から皆勤賞で、着々とポイントを重ねています。

こうした状況下、今日は7月13日以来2度目となるAC72同士の対戦となりました。結果は前回同様ETNZの勝利となりましたが、彼らの底力を前回と異なる形で世界に見せ付ける、驚くべきレースとなりました。

ラウンドロビン3 第3レース: ルナロッサ(S) ● - ○ エミレーツ・チーム・ニュージーランド(P)

今日のコンディションも前回同様、風速15~20ノットの南西風。まず ETNZ がルールに従い、先にスタートボックスへエントリー、続いて10秒後にルナロッサがエントリー。前回と異なり、両艇ともラインから一旦離れますが、まず後続のルナロッサがラインへ戻ります。続いてETNZも舳先をラインへ向け、フォイリングしながら猛然とルナロッサに襲い掛かります。そして、ルナロッサをラインへ押しやりながら、絶妙のタイミングでスタート。

レース序盤、ルナロッサは前回より安定感を増している感じで、先行する ETNZ に対し積極的に仕掛けますが、ジャイブロスがやや大きく徐々に離されます。

ドラマは最初の風上航の半ばで訪れます。順調にレースをリードする ETNZ のジブハリヤードが突然破損、ジブが落ちてきます。ここで ETNZ はジブをダウン、海中に投棄してレースを続行(ジブはチェイスボートが回収)。

ルナロッサにとって千載一遇のチャンス!…と思いきや、ETNZ のスピードが殆ど落ちません。ヘッドセールなしで見事なフォイリングを見せながら、リードを広げ、最終的に2分19秒差でルナロッサを破りました。

とにかく、ヘッドセールがないにもかかわらず、ボートスピードが殆ど変わらない。しかも、ヘッドセールを持つルナロッサが全く追いつけない。恐るべき底力を見せ付けました。

このシーンをみて、ブログ主のとんべえは、BMWオラクルの「USA」がレース途中からヘッドセールを下ろしながら、易々とアリンギの「アリンギ5」を破った第33回アメリカズカップの第1レースを思い出しました。

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Photo Copyright: Gilles Martin-Raget/BMW ORACLE Racing

当時の解説によれば、ウィングセールは極めて効率が良いため、ヘッドセールは必ずしも必要でなく、むしろヘッドセールなしのほうが低ドラッグで走れるということでした。

さて、今回も圧倒的なパフォーマンスをみせたキウィセーラーたち。このまま大きな波乱もなく、ルイヴィトンカップを勝ち取り、"史上最強のセーリングチーム"を自称するオラクル・チームUSAと闘うことになるのか? 或いはルナロッサかアルテミスが、一矢報いるのか?ルイヴィトンカップはまだまだ続きます!

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JSAFアメリカズカップ委員会は日本のアメリカズカップ再挑戦へ向けて活動しています。

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