カテゴリー「Louis Vuitton Pacific Series」の記事

2009年10月13日 (火)

ブラッド・バタワース、第33回アメリカスカップについて語る。

さて、挑戦艇「BOR 90」の改造に関し、BMWオラクルはエンジンを搭載するための大改造を行っていることを明らかにしました。

BMW Oracle Racing: BMW ORACLE Racing prepares for another round of testing

この挑戦艇の改造に関しては、一度現地を見に行ってから改めてアップしようと思います。

ということで、今日はもう一方の当事者である防衛者アリンギ側のコメントをお伝えしましょう。

少し前になりますが、9月28日にバレンシア・セーリングがアリンギ・スキッパー、ブラッド・バタワースにインタビューを行っていますので、ご紹介します。

Valencia Sailing: Brad Butterworth talks to Valencia Sailing about Alinghi and the 33rd America's Cup

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アリンギ スキッパー、ブラッド・バタワース Photo Copyright Unknown

このインタビューでバタワースは、防衛艇や開催地、計測方法にISAFとの秘密合意に至るまで、広範囲に渡って彼の意見を述べています。

防衛者であるアリンギが昨今の状況についてどう考えているのかを知る上で、非常に興味深い内容となっています。

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バレンシア・セーリング(以下VS): あなた方のカタマラン「アリンギ5」はイタリア、ジェノヴァでの海上テストを終え、今まさにラアス・アル・ハイマ(RAK)へ送られようとしています。海上テストの結果について教えていただけますか?

ブラッド・バタワース(以下BB): テストの結果、「アリンギ5」は全くもってエキサイティングで、とても速くて、走らせるのにワクワクするようなボートだとわかった。でも、オラクルと闘うまでには、まだ改良すべき点が沢山ある。来年2月オラクルに勝つために、これからRAKでボートのレベルアップを行うことにしている。

VS: ジェノヴァでのコンディションは如何でしたか?

BB: 様々なコンディション下でテストをすることが出来た。ときには風が強すぎるときもあったし、もちろん風がないときもあった。でも、全体的に言って良い風に恵まれたね。非常に速いスピードで走れたし、多くのことを学ぶことができた。だが、先も言ったとおり、まだまだやらなければならないことが沢山ある。

VS: "非常に速いスピード"と仰いましたが、どのレベルまで行ったのでしょうか?

BB: そうだな、20ノット台後半くらいは行ったかな。

VS: どこか壊れたことはありませんか?重大な構造的破損とか?

BB: まぁ想定範囲内だったね。もちろん時には壊れることもあったけど、最終的には余りに破損箇所が少なくてビックリしたくらいだ。確かにジェノヴァにいる間に何箇所か壊れたのは事実だし、その内のひとつはバックボーンフレーム近くが破損したものだった。とはいえ、重大な構造欠陥ではなかったけどね。我々は徹夜で修復し、念には念を入れてフレームの反対側にも同じ補修を行ったんだ。その結果、その後のセーリングを通じて、なんら問題は発生しなかったよ。

VS: 何名のクルーを搭乗させるか、決められましたか?

BB: いや、まだ決めてない。そういったことは、ボートを最適化するため出来るだけ多くのテストを行って追い込んで行きたいと思っている。残された時間は少ないが、最適化すべきことは山ほどある。とにかく時間がないから、変更したい部分のパーツも大至急作らなきゃならない。RAKでテストを開始するまで殆ど時間がないからね。

VS: ボートはいつ頃RAKに到着する予定ですか?

BB: はっきりしたことは判らないけど、多分10月初めだと思う。

VS: 直近のアリンギの予定はどうなっているんでしょうか?あなた自身も既にRAKにおられるのですか?

BB: 私はまだジェノヴァにいるが、来週ごろには現地入りするつもりだ。まずボートが着いたら色々とすることがあるが、それからできるだけ早くセーリングを開始したいと思っている。

VS: ということは、現地のインフラが整っていなければなりませんね。現地工事の進捗状況は如何ですか?

BB: 我々はもちろんラアス・アル・ハイマ首長国側も全力を尽くしている。すでに幾つかの建屋は完成しているし、トレーニング海域も決まっている。こういった準備はアリンギに対してだけでなく、両チームに対して行われている。「アメリカスカップ島」への準備が猛スピードで進められている様子をみると、RAK側が両チームをホストするため、如何に大金を注ぎ込んでいるかわかるよ。

VS: BMWオラクルに関しては如何ですか?オラクル側も調査チームを現地へ派遣したと伝えられていますが、現地の印象について何らかの連絡はありましたか?

BB: いや、まだ何の連絡もない。彼らのスタッフは依然現地に残っているが、きっと彼らも我々同様準備に梃子摺るだろう。彼らの本隊がいつ現地入りするのか、或いはどういった計画でいるのか、私にはわからないが、ともかく現地入りを急ぐよう促しているところだ。

VS: ということは、あなたの理解としては、オラクルも現地入りする意向であると?

BB: そうだなぁ、その質問は連中に聞いてくれよ。我々は彼らから何も聞いちゃいないんだ。彼らが来ないとも聞いていない。だから、その答えは彼らに聞くべきだな。開催地が発表されて既に2ヶ月が経つが、それに対する異論は一切届いてきていない(註:9月28日段階。その後10月1日にBMWオラクル側はNY州最高裁へRAKは開催地として不適格との訴えをおこした)。連中も我々の動向を日々追っかけているから、我々のボートが現地へ向かっていることは判っているはずだ。そうやって何もしないことがカップに勝利する手段だと思っているなら、それはただスケジュールを遅らせるだけで、何もいい事なんかありゃしないのにね。

VS: もう少し長い目で見てみるとどうなりますか?すべてうまく運んで再びアリンギが勝利した場合、第34回アメリカスカップはどうなりますか?

BB: 現段階では何も決まっていない。前回きちんとした計画を建てたにも関わらず、連中が仕掛けたゴタゴタの結果、折角19チームと築き上げた良好な関係は全てご破算となってしまった。今回のオラクルとの対決の後、どういうことになるか私にはわからない。次回に関しては完全に宙ぶらりんの状態で、今のところ何も決まっちゃいないんだ。

VS: アメリカスカップが法廷闘争の泥沼に陥っている間に、ルイヴィトンが「ルイヴィトン・ワールドシリーズ」を立ち上げると発表しました。アリンギは去る2月オークランドで開催された大会には参加しましたが、今回は何故不参加なのでしょうか?

BB: 何故なら、我々には他にやらなきゃならないことがあるからだ。防衛艇を完成するという仕事がね。仰るとおり我々は2月の「ルイヴィトン・パシフィックシリーズ」に参加したが、あれはチーム・ニュージーランドに提訴を取り下げさせるという目的があったんだ。あのレースは旧型のボートで行われたわけだが、私個人としてはもっと新しくてエキサイティングなボートでレースをしたいと思っている。あれはルイヴィトンのための大会であって、他の誰のためのものでもない。

VS: さて、第33回アメリカスカップを巡る状況に戻りますが、争点のひとつにBMWオラクルの挑戦艇に対する計測手順が挙げられます。SNGは本件に対する反論書を裁判所へ提出したところですが、オラクルのボートはきちんと計測されると思いますか?

BB: いや、私にはそう思えないね。連中の提出した船舶登録証を見ても、彼ら自身正確な寸法を把握していないか、或いはボートを計測することに興味がないとしか思えない。最終的に我々はきちんと 90 x 90 フィート以内に収まるよう押さえたが、連中のボートは 90 x 90 フィートですらないかもしれないね。彼らには計測ルールを吟味する充分な時間があったし、何をしなければいけなかったか判っているはずだ。とにかく、奴らのやりたいようにやればいいから、後はレースで決着を着けたらいいと思っている。

VS: 満載水線長(LWL)の計測に何故ラダーを含めたのですか?

BB: ボートの一部だからさ。

VS: マルチハルの場合、通常ラダーは水線長に含まれるものなのですか?

BB: いいかい、これはアメリカスカップであり、ラダーはボートの一部なんだ。ニューヨーク州最高裁がそう言ってるんだ。何かあるたびに我々は裁判所へお伺いをたてなきゃならない。しかも、アメリカのニューヨークの裁判所にね。その裁判所がラダーはボートの一部だと言ってるんだ。そのときから解釈が変わったのさ。だから、なんら問題があるとは思えないね。

VS: ニューヨーク州最高裁は、防衛者にはルールを自由に設定できる権利があると認めました。これがフェアかどうかを議論するつもりはありませんが、ISAFとアリンギとの間で交わされた合意について教えてください。何故この合意は秘密にされてきたのですか?

BB: それは、この合意がヨットクラブとISAFとの間で交わされた単なる商取引上の合意に過ぎなかったからさ。ISAFのルールを使うと言う合意であり、レースを誰に対しても公平に行うため、ISAFから人員を派遣してもらうという合意なんだ。この合意が6月に交わされた為「密約」なんて言われたけど、他の大会でもこんな合意書をいちいち公開したりしないだろ。全くナンセンスだね。

VS: それを何故この期に及んで公開することにしたのですか?

BB: 別にたいしたことではないからさ。アメリカ人が鬱陶しく絡んでくるから、公開しただけのことだよ。これであなたも見ることができ、みんなも内容を確認することができるというわけだ。実際過去ISAFと交わされてきた合意書より、ずっとましな内容になっている。ISAFとセーリングスポーツそのものにとっても、ずっと良い内容だよ。だから、この合意書に関しごちゃごちゃ言うのは馬鹿げた話に過ぎないよ。

VS: 公開された合意書は元々の内容ですか?それとも修正を経てあの形に落ち着いたのですか?

BB: あれは元々の内容で、BMWオラクルにとっても心地良くレースに参加できるよう配慮して作ったものだ。もう一度はっきり言っておくが、あの合意書はオリジナルから一度も修正されたことはない。

VS: その他に何か付け加えておくことはありませんか?

BB: いいかい、最終的に防衛艇と挑戦艇は対決しなければならない。そして、どっちが勝つにしろ、カップは勝者の物とならなければならない。もしレースの敗者が裁判所へ駆け込んで、レース結果を蒸し返すようなことをするとしたら、それは本当に馬鹿げたことだ。どっちが勝つにしろ、法廷闘争はこれで終わりにしなければならない。だから、2艇のボートは来年2月ラアス・アル・ハイマで対決しなければならないんだ。

(終わり)

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2009年10月10日 (土)

8チームが参加 - ルイヴィトン・ワールドシリーズ第1戦

ルイヴィトンのブルーノ・トルブレとチーム・ニュージーランドのグランド・ダルトンが中心となって、ACボートを使用したサーキット「ルイヴィトン・ワールドシリーズ」を立ち上げることは、先日お伝えしたとおりです。

その第1戦となるフランス・ニースでの大会は11月7~22日に開催される予定ですが、開催1ヶ月前となる10月6日、同シリーズの中核となるワールド・セーリングチーム・アソシエーション(WSTA)とルイヴィトンは、新たにイギリスのチーム・オリジンとイタリアのアズーラが同シリーズに参加することになったと発表しました。

Sail World: Louis Vuitton Trophy Nice - Two more entries announced

イギリスの誇るオリンピックゴールドメダリスト、ベン・エインズリーを擁するチーム・オリジンは、今年2月にオークランドで開催されたルイヴィトン・パシフィック・シリーズに参加したにも関わらず、当初この新しいシリーズへの参加には消極的と伝えられていました。しかし、チーム代表のサー・キース・ミルズによると、最終的にアメリカスカップ参戦を目指しているチームの将来を考えた結果、一転してWSTAに共同出資者として参画することとしたとしています。

もう一方の参加者は、イタリアのヨットクラブ・コスタ・スメラルダ(YCCS)によって新たに結成されたアズーラです。アズーラという名前は、元々アメリカが初めてカップを失った1983年ニューポートでの大会に同クラブから出場したチームが有していた由緒ある名前です。

同クラブのメンバーでもあり、ジョーフライのオーナーでもあるジョバンニ・マスペロは、当初バスコ・バスコットをリーダーとした新チームを結成し、ジョーフライとして同シリーズに参戦する意向と伝えられていました。しかし、YCCS会長リカルド・ボナデオとの協議を経て、新たにフランチェスコ・ブルーニをヘルムスとしたチームを結成し、イタリアから初めてアメリカスカップに挑戦した由緒ある「アズーラ」の名前を冠して参戦することとしたとのことです。

Sail World: Azzurra going to the Louis Vuitton Trophy in Nice

ジョーフライがアズーラとして参戦することになった結果、第1戦は以下の8チームで争われることになりました。

  1. アズーラ(イタリア)
  2. BMWオラクルレーシング(アメリカ)
  3. エミレーツ・チームニュージーランド(ニュージーランド)
  4. K-チャレンジ(フランス)
  5. スウェディッシュチャレンジ・アルテミス(スウェーデン)
  6. シナジー・ルシアン・セーリングチーム(ロシア)
  7. チームオリジン(イギリス)
  8. チーム・フレンチスピリット(フランス)

ちょっと気になるのは、当初参加を表明していたマスカルツォーネ・ラティノの名前がなくなっていることです。ビンセンツォ親分、どうしちゃったんスか?

とはいえ、大会で使用される予定であったマスカルツォーネのACボートは、当初の予定通り準備が進められているようです。

Valencia Sailing: Mascalzone Latino launches 1st boat for LV Series

一方、マスカルの2艇と並び、もう一方のペアとして使用される予定であったデサフィオ・エスパニョールの2艇(ESP-88、ESP-97)ですが、何らかの理由により使用出来なくなったようです(デサフィオは経営危機がウワサされて久しい)。その為、急遽チームオリジンの所有するACボート GBR-75 が使用されることになりました。

このGBR-75は以前当ブログでもお伝えしたとおり、当時ラッセル・クーツに率いられていたアリンギが、2003年の第31回アメリカスカップにおいて古巣ニュージーランドからカップを奪取するため建造した2艇のACボート(SUI-64、SUI-75)の内のひとつです。斉藤愛子さんのレポートによれば、SUI-75はチーム・ニュージーランドが導入した新技術「Hula(Hull Apendage)」の効果を検証するため建造されたボートであるとされています。結局SUI-75は本番レースに使用されることなく、2007年大会終了直後チームオリジンへ売却されていました。

よってGBR-75は、セール等各部がバージョンアップされているとはいえ、基本設計はACクラスとして第4世代であるバージョン4になります。その為、このGBR-75とペアを組むボートとして、BMWオラクルの所有するバージョン4のAC艇、USA-76が急遽使用されることになったとのことです。

The Independent: Britain's America's Cup challenge team step up involvement

なお大会の名称は、ルイヴィトン・ワールドシリーズからルイヴィトン・トロフィ・イン・ニースに変更されています。ISAFとワールドマッチレースツアーに配慮した結果、”ワールド”の名称を外したのかもしれません。

さて、ルイヴィトンが仕掛けた本サーキットが、どのような形で世界のセーリングファンに受け入れられるか、また来年2月に開催される”本家”アメリカスカップとどう絡んでくるか、注目されます。

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2009年9月 9日 (水)

ルイヴィトンの目指すもの - ルイヴィトン・ワールドシリーズ開催決定

9月8日、ルイヴィトンはパリにて記者会見を行い、アメリカスカップ・クラスボートを使用した新たなマッチレースサーキット「ルイヴィトン・ワールドシリーズ(LVWS)」を今秋から来年に掛け開催すると発表しました。

Valencia Sailing: Louis Vuiton announces creation of LV World Series

Valencia Sailing: Official presentation of the Louis Vuitton World Series

Yachting World: Louis Vuitton World Series launched

ルイヴィトンの発表によると、2年以上に及び停滞しているアメリカスカップの現状を打破する為、世界の主要プロフェッショナル・セーリングチームによって結成される新組織「ワールド・セーリングチーム・アソシエーション(World Sailing Team Association: WSTA)」と共催で、新たなサーキットシリーズを立ち上げるということです。

記者会見には、イブ・カルセル(ルイヴィトンCEO)、ブルーノ・トルブレ(ルイヴィトン代表)、クリスチャン・エストロシ(ニース市長)、グラント・ダルトン(エミレーツ・チーム・ニュージーランドCEO)、ステファン・カンドラー(K-チャレンジCEO)らが出席し、シリーズの詳細を発表しました。

参加チーム:

「ワールド・セーリングチーム・アソシエーション(World Sailing Team Association: WSTA)」には、現在下記8チームが参加する予定となっています。

  1. BMWオラクル・レーシング(アメリカ)
  2. エミレーツ・チーム・ニュージーランド(ニュージーランド)
  3. シナジー(ロシア)
  4. アルテミス(スウェーデン)
  5. K-チャレンジ(フランス)
  6. マスカルツォーネ・ラティノ(イタリア)
  7. チーム・フレンチスピリット(フランス)
  8. ジョー・フライ(イタリア)

オラクル、チーム・ニュージー、K-チャレンジ(アレバがスポンサーを降りたため、旧名に戻った)、マスカルは、ご存知の通り前回2007年の第32回アメリカスカップへ参加したチームです。

一方、シナジーとアルテミスはそれぞれ地中海サーキット、アウディ・メッドカップに参戦しているチームであり、特にアルテミスはラッセル・クーツが時折タクティシャンとして搭乗する有力チームです。同時にアルテミスはラッセル・クーツの主催するRC44サーキットにも参戦しており、こちらにはチーム・ニュージーランドのディーン・バーカーがクルーとして乗り込んでいます。

フレンチスピリットは当ブログでも度々お伝えしたとおり、マーク・パジョがアメリカスカップ参戦の為結成した新チームであり、またジョー・フライはイタリアの新鋭セーラー、バスコ・バスコットが率いるチームです。

この内、オラクル、ニュージー、シナジー、アルテミスの4チームがWSTAの中核となり、重要案件の決定に際して、それぞれ1票の評決権を有しています。また、その他の4チームで1票、さらにルイヴィトンが1票を有するということです。

WSTAは最終的に10チームでのサーキット開催を目指しており、残る枠は2つです。これに対し、今のところアリンギが加わる予定はありません。また、チーム・オリジンとルナロッサの参加も検討されているということですが、現段階では未確定です。

開催地:

ルイヴィトンとWSTAは、現在6~7戦でのサーキットを構想中です。

第1戦は2009年11月7~22日にフランス、ニースで開催されます。第2戦は2010年2月最終週~3月にニュージーランド、オークランドで開催。第3戦は2010年5月にイタリアにて開催される見込みです。

この他の開催地として、バレンシア(スペイン)、アテナ(ギリシャ)、ニューポート(アメリカ)、ケープタウン(南アフリカ)、アブダビ(アラブ首長国連邦)、香港(中国)が候補に挙がっています。

また毎戦ホストチームが定められ、イベントをサポートします。ニースでの第1戦はK-チャレンジがホストチームを務めることが決まっています。前述の候補地の中には、WSTAのメンバーが存在していない国が含まれていますが、これらの国では、出場枠が空いていれば、ローカルチームがワイルドカードとして出場することも検討中とのことです。

使用ボート:

レースにはアメリカスカップクラスボート(IACC)バージョン5が使用され、地中海でのイベントには、マスカルツォーネのITA-90、ITA-99、及びデサフィオ・エスパニョールのESP-88、ESP-97が使用されます。

新たな法廷闘争の可能性:

記者会見においては、今回のシリーズ立ち上げが新たな法廷闘争の火種となる可能性についても言及されました。

即ち、ACボートを使用することにより、現在のアメリカスカップ保有者アリンギから、また「ワールド」という名称を使用することにより、ISAFからクレームがつくという可能性です。

これに対しトルブレとダルトンは、アリンギ、ISAF、ならびにワールド・マッチレース・ツアー関係者と交渉を繰り返し、アリンギからは協力もしない代わりに反対もしない、またISAF、ワールド・マッチレース・ツアー関係者からは、本サーキットの勝者は「世界チャンピオン」ではなく、あくまで「ルイヴィトン・”ワールド”シリーズ」の勝者であるということで理解を得ているとしています。

この新しいシリーズが、来年2月に予定されている次回アメリカスカップとどのように絡んでくるか、もう少し時間をかけて見守って行きたいと思います。

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2009年6月25日 (木)

ルイヴィトンが再びアメリカスカップを救う。

開催地がどこになるか、レース運営やジュリーは誰が担当するか、使用艇の計測はどうなるか等々、まだまだ問題山積みの次回アメリカスカップですが、それでも来年2月に開催されることだけはニューヨーク州最高裁の命令により確定しています。

しかし、その第33回アメリカスカップでアリンギ或いはBMWオラクルの何れが勝利するとしても、多数チームが参加する従来通りのアメリカスカップ開催は、早くとも2011年まで待たねばならないと見られています。

一方、エコブームによる後押しも受け、セーリングスポーツは現在世界的(特に西欧諸国)に大きな盛り上がりを見せており、ボルボ・オーシャンレースは世界中の注目を集めると共に世界各地の寄港地で多くの観客を集め、またヨーロッパではアウディ・メッドカップに代表されるサーキットシリーズが華盛りです。(日本のヨット界は高齢化の一途で衰退傾向にあるため、日本に居ると中々わかりづらいのですが・・・)

このような状況下にもかかららず、ヨットレースの最高峰たるアメリカスカップは上記のごとく最悪2011年までこの世界的ムーブメントの蚊帳の外に置かれることになりかねません。

かかる事態を憂慮し、現状を打開するためルイヴィトン・パシフィックシリーズを開催したルイヴィトンでしたが、再びアメリカスカップのためのイベント開催を目指して関係各方面と調整中であり、近くその詳細が発表されるということです。

Sail-World.com: Final decision pending on Louis Vuitton World Series

Sail World のグラドウェル記者によると、現在ルイヴィトンの主導により検討が進められている新シリーズは、アメリカスカップクラスボートを使用して各地を転戦するというルイヴィトン・アクトのコンセプトを踏襲したものであり、2010年1月香港を皮切りに、2月或いは3月にニュージーランドのオークランド、そして2010年中にさらに2箇所、恐らくアフリカ(!)とアメリカのニューポートで開催されるであろうということです。特にアメリカでの開催は、アメリカスカップへの興味が失われつつある同国にとって重要な意味を持つでしょう。

この新しい”ワールドシリーズ”の形式は、チーム・ニュージーランドが決勝へ自動的にシードされたという点を除いて、基本的にルイヴィトン・パシフィックシリーズで採用されたものを踏襲し、その位置づけとしてはワールド・マッチレース・ツアーとアメリカスカップの中間に位置するものとなるということです。

レースに使用されるボートは、前回アメリカスカップに使用されたACボート・バージョン5であり、ルイヴィトン・パシフィックシリーズ同様参加チームに貸与されます。この結果、参加各チームは参戦コストを大幅に削減することが可能で、これは同時にスポンサー獲得を容易にするものです。(ちなみにこの記事によると、3週間に渡ったルイヴィトン・パシフィックシリーズへの参加コストは、1チーム当たり約US$250,000(2,500万円)だったということです) また多くが開店休業状態にある既存の各アメリカスカップチームにとっても、活動を再開する良いチャンスとなります。

一方、世界的に盛り上がりを見せているセーリングブームに対しても、ルイヴィトン・パシフィックシリーズ同様バーチャルアイやウェブTVを駆使してのパブリシティを展開し、ボルボ・オーシャンレース等に奪われつつあるセーリングファンの注目を、再びアメリカスカップへ引き戻すことも視野に入れられているということです。

もちろんこの計画の中心にいるのはルイヴィトンのブルーノ・トルブレであり、彼のアメリカスカップに対する情熱には、いつもながら頭が下がります。

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Photo Copyright: Chris Cameron/Sail-World.com

ということで、来年はマルチハルによる第33回アメリカスカップと共にACボートを使用したワールドシリーズの開催と停滞していたアメリカスカップがようやく大きく動き出す年となりそうです。

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2009年4月16日 (木)

アリンギとBMWオラクルの第1回交渉は4月23日

BMWオラクルがアリンギに宛てた書簡をいきなり公開したことに対し、アリンギはソシエテ・ノーティーク・ドゥ・ジュネーブ(SNG)会員への内部文書を公開することで態度を表明した件については、昨日当ブログでお伝えしたとおりです。

この件に関し、Sail World.comのグラドウェル記者によれば、4月7日付オラクルからの書簡に対しアリンギは返書を送付したのですが、何らかの理由で配送が遅れてしまったそうです(欧米ではよくある話ですね)。一方、時間通りに届いたと思い込んでいたアリンギは交渉の情報をメディアへリーク、その結果オラクルは実際に返書を受け取るより前にメディアからの取材によってその事実を知った・・・という、ちょっとした行き違いがあったようです。

Sail World: America's Cup - Off the Record - 15 April: Postman's Knock

上記グラドウェル記者の記事によれば、アリンギからの情報として、判決の出た4月2日既にエルネスト・ベルタレリとラリー・エリソンの間で連絡のやり取りがあり、GGYC/BMWオラクルの代表者がSNGへ招かれていたということです。また消息筋の情報として、第1回交渉を4月23日スイス・ジュネーブのSNGにおいて開催することがSNGより提案されているということです。

また同じく上記記事によると、ルイ・ヴィトンのブルーノ・トルブレがバレンシアを訪問する予定であり、トルブレはもし次回アメリカスカップがマルチハル艇での一騎打ちとなった場合、行き場のなくなる他チームの為にも再びルイ・ヴィトン主催によるシリーズの開催を模索しているということです。アメリカスカップを愛する彼の行動は、いつもながら賞賛に値します。

なお、上記記事には先週 BYM News が報じた贈与証書におけるアメリカ号のオーナー、ジョージ・スカイラーの真意についても言及されていますが、この件に関しては折を見て改めてご紹介したいと思います。

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2009年2月15日 (日)

エミレーツ・チーム・ニュージーランド優勝!ルイヴィトン・パシフィック・シリーズ最終日

昨日強風のため第2レース以降がキャンセルになった影響で、当初4勝先勝方式で行われる予定だったルイヴィトン・パシフィック・シリーズ決勝は、3勝先勝先勝方式に変更されました。そして迎えた最終日、エミレーツ・チーム・ニュージーランドは鮮やかに3連勝をあげ、”ルイヴィトン・パシフィック・カップ”の初代王者となりました。

Barker

以下はCupinfo.com及びSailing Anarchyのレポートからまとめたレースの詳報です。

決勝第2レース: エミレーツ・チーム・ニュージーランド(P) ○ - ● アリンギ(S)

http://race51.lvps09.com

小雨交じりの安定した南東風12ノットの下、11:00の予定時刻より遅れて開始。短いダイアルアップとサークリングの後、残り1分でニュージーランドがラインへ戻る。アリンギもこれを追うがニュージーランドはラフして牽制しリーバウポジションを確保、スタート後アリンギをタックへ追い込む。ニュージーランドもカバー。アリンギタックバック、ニュージーランドはその前を切る。アリンギ抗議するもアンパイアの判定はクリア。

その後両艇はコース中央をタックしながら上る。ニュージーランドとの差が70mあるためアリンギはタック合戦に持ち込めない。ニュージーランドは風のシフトに合わせながらタックを入れている。そのまま両艇スターボードレイラインまで到達。上マークを廻りニュージーランドのリードは100m。両艇ジャイブしコース中央へ戻すが、ニュージーランドは良いブローを掴みリードを広げる。アリンギが右ゲート回航準備に入ったのを確認した上で、ニュージーランドも右ゲートを選択、21秒リードで回航。

続く風上航、ニュージーランドはアリンギをカバーしつつ、潮流が有利な右海面をキープ、巧みにシフトと合わせながらリードを150mまで広げ上マークを回航。続く風下航でもそのままリードを守り、ニュージーランドが28秒差で勝利。対戦成績を1勝1敗のタイへ戻すと同時に、NZL-92とNZL-84に性能差がないことを自ら証明した。

決勝第3レース: アリンギ(P) ● - ○ エミレーツ・チーム・ニュージーランド(S)

http://race52.lvps09.com

南寄りの風12ノット・追い潮のコンディションの下、13:25分スタート。短いダイアルアップとサークリングの後アリンギが先にラインへ戻り、ニュージーランドも下へピタリとつける。ニュージーの追跡から逃れるため、アリンギはコミッティボート直下でポートへタック、ニュージーも追従。さらにアリンギはごく短時間にポート→スターボ→ポートと続けて2回タック。この2度目のタックで、ベアードは自艇NZL-92のトランサムを余りにも急激にチーム・ニュージーランドのNZL-84の目前へ振り出してしまい、ニュージーランドに避けるだけの充分なルームを与えなかったとして国際セーリング競技規則の規則16が適用され、アリンギにペナルティの判定。結果、ニュージーランドが80m先行してスタート。

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ニュージーランドが右海面を守る一方で、アリンギは左海面で有利なブローを掴む。同時に風が左へシフトしたため、アリンギは一気に遅れを挽回する。その後コース中央でタックの応酬が続き、今度はニュージーランドが左海面、アリンギが右海面へ出る。両艇若干離れるが、ここで再び風が左へシフト、今度はニュージーランドがリードを築く。この結果、スターボードレイラインでニュージーランドはアリンギに対し絶妙なリーバウ位置へつけることに成功、アリンギは失速。上マークでのニュージーランドのリードは34秒。

続く第2・3レグでニュージーランドはアリンギをタイトにカバー。最終上マークでニュージーランドのリードは120m。ニュージーランドはジャイブセット、アリンギはそのままベアし、両艇大きく離れる。ニュージーランドがジャイブし再び接近した時、リードは50mまで減少。しかしアリンギは依然ペナルティを解消しておらず、結局このままニュージーランドが逃げ切り、対戦成績を2勝1敗として、遂に王手を掛けた。

決勝第4レース: エミレーツ・チーム・ニュージーランド(P) ○ - ● アリンギ(S)

http://race53.lvps09.com

雲間が切れ、風は20ノット弱まで上がると共に左へシフトすると予想される中、レース開始。左海面は風も良さそうだが潮流も強い。ニュージーランドはやや遅れてスタートBOXへ入ってきたため、アリンギが優位に立ってダイアルアップ。まずアリンギが動き出し、ニュージーランドが追う。サークリングの後アリンギは観覧船の中まで突っ込む。そしてアリンギがピンエンド、ニュージーランドがコミッティボートエンドと大きく離れ、両艇バウダウンで充分スピードをつけてスタート。

両艇スターボードのまま左海面を目指して暫くドラッグレース。最初にアリンギがタックを返すがニュージーランドにリーバウを決められ、ここからタック合戦が始まる。両艇がタックを繰り返す間にも風はどんどん左へ振れ、ついに両艇ともレイラインを超えオーバーセールとなってしまう。両艇マークへ向けてベアしていく中、後続のアリンギはニュージーランドのバックウィンドを受けながら走らざるを得ず、ニュージーランドに差をつけられ第1上マーク回航。

上マーク回航後、両艇ジャイブセットでスピンを上げるが、アリンギはセットに手間取り遅れてしまう。シフトした風向の為コースはジャイブ不要の一本コースとなり、強まる風を受け両艇サーフィングしながらスピードレースを展開。そのまま両艇左ゲートを回航。

コミッティは上マークを10度左へ変更。また水深に問題があるためレースコースを1.3マイルに短縮。両艇スターボードで若干走った後ポートへ返す。雨が再び降り始める中、風はさらに左へシフトしニュージーランドはリードを広げる。そのままアリンギをスターボードレイラインまで引っ張り、ニュージーランド21秒リードで上マーク回航。風がさらに上がる中、ニュージーランドは確実にアリンギをカバーしながら、短縮されたコース走りきり、見事3連勝でルイヴィトン・パシフィック・カップを手中に収めた。ディーン・バーカー、グラント・ダルトンを初めとするチーム・ニュージーランドを称える為、観覧船団はホーンを鳴らし、雨さえも止んだ。

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エド・ベアード: 今日は全て後手後手に回ってしまったよ。ただ上手くいかなかった、それだけさ。

ブラッド・バタワース: 3週間に渡って素晴らしいレースができた。雨の中では上手くいかなかったけどね。今日はこんな形で終わってしまったから、この素晴らしい大会をこれで終わりにするわけにはいかないな。

ディーン・バーカー: いつも通りのことをしたまでだよ。

グラント・ダルトン: ひとこと言いたいのは、シリーズの初めから終わりまで NZL-84 をずっと遅く維持し続けるのは非常に難しいってことだね!

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2009年2月13日 (金)

まずはアリンギが1勝。ルイヴィトン・パシフィック・シリーズ14日目

いよいよ始まったルイヴィトン・パシフィック・シリーズの決勝戦、取り急ぎ結果をお伝えします。

第1レース: アリンギ(P) ○ - ● エミレーツ・チーム・ニュージーランド(S)

http://race50.lvps09.com

このレースもプレスタートが重要な鍵を握りました。南西風25~28ノットという今大会で最も強風のコンディション下、スターボート・エントリーのチーム・ニュージーランドはプレスタートを優位に進め、アリンギをコミッティボートのはるか上側まで引っ張ります。アリンギは何とか逃れようとしますが、下側にチーム・ニュージーランドがピタリとつけている為、自由に動けません。スタート約1分前にチーム・ニュージーランドは先にラインへ向かいます。このとき風が左へシフトするという読みがあったのか、バーカーはコミッティボートとの間に必要以上の間を開けてしまいます。この結果アリンギは容易にラインへ割り込むことができました。スタートはニュージー下、アリンギ上でほぼイーブン。

両艇しばらく併走しますが若干風が右へシフト、アリンギがわずかにリードします。この結果最初のミートはアリンギが制し、そのままリードを保って第1上マーク回航(アリンギ12秒リード)。レースは依然接戦でしたが、最初のジャイブでニュージーランドはスピンハリヤードを飛ばしてしまうというアクシデントに見舞われます。

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なんとか大事に至らずリカバーしますが、この間にアリンギに約100m程の差をつけられてしまいます。この差はアリンギにとって充分なものでした。結局このままアリンギがリードを維持し、1勝目を挙げました。

レイ・デイビース(チーム・ニュージーランド、タクティシャン):

「(左に振れると読んでいたから)僕らは左海面をねらって下側からスタートできたことにハッピーだった。しかしその後、風は右にシフトしてアリンギにリードされた。この後風が左に振れることはなかった。」

「それで僕らはタックを出来るだけ少なくして、上マークまでは絶対離されないように追っかけることにした。いつでも攻撃できる位置につけるためにね。」

「シフトが見えたところで僕らはジャイブしたが、そこでハリヤードが飛んでアリンギにリードを広げられてしまった。その後少しは追いついて、特に最後のランニングでは随分差を詰めたけど、ひっくり返すには大きすぎたね。」

その後風は30ノット以上まで上がり、レースコミッティは第2レース以降のキャンセルを決めました。

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アリンギがBMWオラクルを破り決勝進出。 ルイヴィトン・パシフィック・シリーズ13日目

ニューヨークへ行っている間にブログが1日遅れになってしまい、実際にはエミレーツ・チーム・ニュージーランド対アリンギの決勝レースが始まっていますので、アリンギとBMWオラクルの間で争われた挑戦者決定戦第2レースに関して、ここでは簡単に触れることにし、後日色々な情報を追って行きたいと思います。

挑戦者決定戦 決勝第2レース: アリンギ(P) ○ - ● BMWオラクル・レーシング(S)

http://race49.lvps09.com

スターボード・エントリーのオラクルはダイアルアップへ持ち込もうとしますが、アリンギはこれに乗らずコミッティボート側へ逃げます。オラクルはこれを追い、スタートBOXの右端で両艇サークリングに入ります。2度目のサークリングでオラクルはジャイブに入りますが、これが結果的にアリンギへラフするルームを与えることになります。スタート前1分30秒で両艇ラインを目指しますが、ジャイブの結果アリンギの上についてしまったオラクルは、コミッティボートギリギリまでラフしてくるアリンギに進路を絶たれ、完全にスタートで出遅れてしまいます。その後、アリンギは危なげなくリードを守り、1分以上の大差での勝利となりました。

オラクルはチーム・ニュージーランドの保有する2艇の内、ややスピードに劣るとされるNZL-84に乗っていましたが、Yachting World.comによれば、プレスタートの間にトリムタブがジャムってしまい完全な状態ではなかったようです。しかしクーツは「そんなことは言い訳にならない。負けは負けだ。これがスポーツさ。」と語っています。

上記のごとく、チーム・ニュージーランドの保有するNZL-92とNZL-84とでは性能差があるということが、現地では認識されつつあるようです。特にブラッド・バタワースは確信しているようで、アリンギはこのレースの最終レグで抗議旗をあげながら走ってきました。これはオラクルに対する抗議ではなく、大会運営側に対し「チーム・ニュージーランドとの決勝は俺達にボートを選ばせろ!」という抗議だったのです。で、結局本件はレース後審問されることとなり、アリンギにNZL-92を使わせることで決着。。。

ラウンドロビンでの欠場といい、今回の抗議といい、本当に勝つためには手段を選ばないというか、自分達のことしか考えないというか、何と後味の悪いことか。チーム・ニュージーランドの主要メンバーをごっそり引き抜いた成り立ちからして、アリンギというチームはこういうチームなのかもしれません。

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抗議旗(中央の小さい赤旗)を掲げるアリンギ

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2009年2月12日 (木)

BMWオラクル、ポカミスでレースを落とす。ルイヴィトン・パシフィック・シリーズ12日目

ブログ主とんべえはニューヨークからサンディエゴへ帰ってきました。ニューヨークでの出来事はさておき、まずは随分と進んでしまったルイヴィトン・パシフィックシリーズのアップデートから。

2月11日は挑戦者決定トーナメントの準々決勝2レース、準決勝1レース、そして2勝先勝方式で争われる挑戦者決定決勝の1レースが行われました。

第1レース: ルナロッサ(P) ● - ○ BMWオラクル(S)

http://race46.lvps09.com

クーツがホルムバーグに快勝しました。シリーズ開幕当初はオリジンにぶつける等、クーツ自身「ちょっと腕がサビついてる」と公言していましたが、随分と勝負勘を取り戻してきたように見えます。

第2レース: チーム・オリジン(P) ● - ○ ダミアーニ・イタリア(S)

ダミアーニ・イタリアの快進撃は続きます。なんと北京オリンピックのゴールドメダリスト、ベン・エインズリーを破り、準決勝へ駒を進めました。(プレスタートではかなりきわどい競り合いがあったようで、その為かまだバーチャルアイのデータがアップされていません。)

第3レース: BMWオラクル(P) ○ - ● ダミアーニ・イタリア(S)

http://race47.lvps09.com

オラクルの快勝です。長いドラッグレースが続きボートスピードを競う展開となりましたが、ACボートを速く走らせるという点では、オラクルに一日の長があったようです。

第4レース: BMWオラクル(P) ● - ○ アリンギ(S)

http://race48.lvps09.com

レースの全般に渡りオラクルが主導権を握っていたかに見えましたが、最後の最後でアリンギに勝利をさらわれてしまいました。以下は複数サイトの情報を元にまとめたレースレポートです。

長い風待ちの後、レースはPM5:30に開始。ドローイングでアリンギはスターボード・エントリを、BMWオラクルは若干性能のよいNZL-92を選択。長いダイアルアップの後、オラクルが下、アリンギ上でほぼイーブンスタート。最初のミートはオラクルが制し、そのままリードを維持して第1上マークを回航(オラクル12秒リード)。続くダウンウインドでアリンギはオラクルを執拗に追い、オラクルにリードを築かせない。オラクルは右ゲート、アリンギは左ゲートを回航(オラクル2秒リード)。風が左へシフトしたため、上マークは左へ打ち直し。このシフトを上手く利用し、オラクルは若干リードを広げ第2上マーク回航(オラクル18秒リード)。最後のダウンウィンド、スピンを上げた段階でオラクルのリードはほぼ100m、だれもがオラクルの勝利を確信。そのままオラクルはゴールラインのピンエンドを狙い走るが、実はピンエンド側の方が遠く、コミッティーボートエンドを狙ったアリンギにわずか1秒差で勝利をさらわれる。

公平なレースコース設定で定評のあるレース委員長のピーター・レッジオは、左にシフトした風に合わせ上マークを打ち直すと同時に、ゴールラインのピン側も動かしていました。このことは当然両艇に告知されていましたが、BMWオラクルのタクティシャン、ハーミッシュ・ペッパーによるとオラクル側はこのことをすっかり見落としていたのだそうです。左シフトでゴールラインに変更なしなら通常ピンエンド有利ですが、ラインの打ち直しは当然ありえる状況であり、トッププロがこんな単純なミスをするとは信じ難い気もします。実際バーチャルアイで見る限り相当ピンエンドが遠いので、最悪その場で見てもわかったのではないかと思いますが、真相はボートに乗って闘っていた者にしかわかりません。

オラクルのこのミスに対し、ヨットレース評論家のボブ・フィッシャーは「小学生なみの失敗。言い訳なし。」と酷評しています。このポカミスでオラクルはほぼ手中に収めていた1勝を落としました。この結果、彼らは大きな代償を翌日払うことになります。

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2009年2月10日 (火)

オリジンとルナロッサが順当勝ち。ルイヴィトン・パシフィック・シリーズ11日目

現地時間2月10日、チーム・ニュージーランドと対戦するチームを決める挑戦者決定トーナメントの1回戦2レースが行われ、チーム・オリジンはパトガス・K-チャレンジを、ルナロッサはチャイナ・チームを破り、それぞれ準々決勝へ駒を進めました。オリジンは明日ダミアーニ・イタリアと、ルナロッサはBMWオラクルとそれぞれ対戦します。

第1レース: パトガス・K-チャレンジ(P) ● - ○ チーム・オリジン(S)

http://race43.lvps09.com

第2レース: ルナロッサ(P) ○ - ● チャイナ・チーム(S)

http://race44.lvps09.com

また今日2月10日、BMWオラクル(ゴールデン・ゲート・ヨットクラブ)とアリンギ(ソシエテ・ノーティーク・ドゥ・ジュネーブ)/デサフィオ・エスパニョール(クルブ・ナウティコ・エスパニョール・デ・ベラ)の間で争われている控訴審の口頭弁論が、ニューヨーク州控訴裁判所において現地時間PM2:00より開催されます。

ブログ主かぜのとんべえは現在ニューヨークに来ていますので、新しい情報が得られ次第、別途ご報告したいと思います。

ニューヨーク州控訴裁判所HP:http://www.nycourts.gov/ctapps/

Ny_court_of_appeals_3

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