カテゴリー「Louis Vuitton Cup」の記事

2015年4月 6日 (月)

こんなものは絶対にアメリカズカップではない: ブルーノ・トルブレ

さて、前回お伝えしたルナロッサ(プラダ)のアメリカズカップ撤退に対し、同じく長年に渡りアメリカズカップを支援してきながら、昨年関係を解消したルイヴィトンのブルーノ・トルブレが、現在のカップの保持者であり、また次回35回大会の防衛者であるゴールデンゲート・ヨットクラブ(GGYC)、並びにオラクル・チームUSAを厳しく批判しています。

Bruno Troublé: This is definitely NOT the America's Cup

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一番左がブルーノ・トルブレ。 一人置いてラッセル・クーツ © Gilles Martin-Raget / ACEA

以下にトルブレの発言の全文を掲載します。皆さんはどう思われますか?

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私は今、アメリカズカップを巡る熱い論争から離れ、ヴェネツィアにおいてある自分のボートでセレニッシマの春を楽しんでいる。魑魅魍魎たちがアメリカズカップに良かれと、あれこれ画策しているようだが、その結果、カップは死につつある。過去2年間に行われたことは、間違いだらけなのだ。

 

ゴールデンゲート・ヨットクラブと彼らのセーリングチームであるオラクル・チームUSAは、ヨット乗りとしては素晴らしいが、神話を守るという点では全くダメだ。何十年もかけて培われ、またそれゆえルイヴィトンが30年にも渡って関係を継続してきたアメリカズカップのスタイルやエレガンスさというものを、彼らは抹殺してしまった。

 

彼らはハイレベルなパートナーたちを落胆させ、カップの地位を失墜させてしまった。彼らはカップを特別な存在にしてきた素晴らしい先人たちの伝説まで裏切ってしまった。そして、今彼らは、セーリング界と全然関係のないスタイルや人々を対象としたワンデザイン・カタマランによる競争を導入しようとしている。

今あるのは、日焼け止めとフライドポテトの臭いがする安っぽいビーチイベントだ。

こんなもんは絶対にアメリカズカップではない。

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JSAFアメリカズカップ委員会は日本のアメリカズカップ再挑戦へ向けて活動しています。

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2015年4月 4日 (土)

プラダの退場とルイヴィトンの怒り

米国時間の4月2日、ついにルナロッサ(イタリア)が第35回アメリカズカップ挑戦からの撤退を表明しました。

Luna Rossa: Team Luna Rossa Challenge announces its withdrawal from the 35th America's Cup

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© ACEA / Luna Rossa

ルナロッサ・チャレンジは、プラダの総帥であるパトリッツィオ・ベルテッリが第30回アメリカズカップに挑戦する為1999年に設立したチームであり、アメリカズカップへの挑戦者決定戦を主催してきたルイヴィトンとともに、長年に渡ってアメリカズカップの世界に欠かせない存在でした。

しかし、去る3月25日に第35回アメリカズカップの大会運営組織であるアメリカズカップ・イベント・オーソリティ(ACEA)が、レース使用艇のルールを大幅に変更すること発表。ルナロッサはそれをに反発。最終的に大会からの撤退を表明する事態となりました。

今回ルナロッサの公式サイトで発表された声明文の要旨は、以下の通りです。

  • ACEAによる挑戦チームと防衛チームの多数決により、昨年参加チームの全会一致で決定されたクラスルールが覆されてしまった。
  • 今回のルール変更は実質的に使用艇のワンデザイン化を企てるものであり、19世紀から続くアメリカズカップの伝統に全く反するものである。
  • これはコスト削減を口実に、ボートデザインに対する防衛者側のアドバンテージを増すものでもある。
  • ルナロッサとしても、現行クラスルール中でコストを削減する提案を防衛者側に度々行ってきたが、今回の決定によりそれらも全て廃棄されることとなる。

この決定により、6月にカリアリで予定されていたアメリカズカップ・ワールドシリーズの第1戦もキャンセルされることとなりました。

これに対し、同じく長年アメリカズカップを支援しながら、昨年関係を解消したルイヴィトンのブルーノ・トルブレが防衛者であるオラクルを批判するコメントを出していますが、それについてはこちらをご覧下さい

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2013年8月 6日 (火)

ついにアルテミス登場!結果は?

ついにアルテミスのAC72が登場、ルナロッサとの対戦に臨みました。

セミファイナル 第1レース: ルナロッサ(P) ○ - ● アルテミス(S)

7月に始まったアメリカズカップへの挑戦者決定シリーズ「ルイヴィトンカップ」も今日からセミファイナル。

ここまで全勝のエミレーツ・チームニュージーランドが決勝へ自動的に進むことになったため、残るルナロッサ・チャレンジ(イタリア)とアルテミス・レーシング(スウェーデン)の2チームが、7戦中4戦先勝形式で争います。

5月に不幸な転覆事故を起こしたアルテミスは、大破したAC72の1号艇に代わる2号艇の準備に時間を要したため、これが初めてのレースになりました。

結果はルナロッサの勝利。特にダウンウィンドのボートスピード、そしてジャイブの安定性で両艇の差が顕著でした。

• Course length: 15.83 nautical miles
• Elapsed time: LR – 43:20; ART – 45:20
• Total distance sailed: LR – 18.78 NM; ART – 18.69 NM
• Average speed: LR – 26.04 knots (29.9 mph); ART – 24.75 knots (28.4 mph)
• Top speed: LR – 39.19 knots (45 mph); ART – 40.56 knots (46.6 mph)
• Wind speed: average 16.1 knots; peak gust 20.4 knots

アルテミスにとっては、5月の事故からほぼ2ヶ月のブランクが響いた形になります。アンドリュー・シンプソンを失う悲劇から不眠不休で体制の再構築に取り組んできた彼らです。短期間での挽回は困難かもしれませんが、なんとか頑張って欲しいものです。

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2013年7月28日 (日)

がんばれ、ルナロッサ!

うーん、今日も結果は同じでしたが、ルナロッサは少しずつ良くなっていると思います。

ラウンドロビン5 第1レース: ルナロッサ(S) ● - ○ エミレーツ・チームニュージーランド(P)

今日は15ノットでスタートし、徐々に20ノットへ風が上がるコンディション。風向はいつもどおりゴールデンゲートブリッジ方向から吹き込む南西風。

まずチームニュージーランドがポートエントリー、30ノットオーバーのスピードでルナロッサの前を切りラインから離れます。ルナロッサもジャイブでニュージーを追い、ジャイブ&タックを挟みながら、上手くニュージーを自艇の上に追いやります。そして、ほぼイーブンスタート!…とここまでは良かったんですけど。

スタート直後の加速とピッチングを見ると、やはりキウィの方が一枚上手でした。

しかし、今日何よりも高く買いたいのは、ルナロッサのヘルムス、クリス・ドレイパーが見せた積極性です。スタートでキウィを追い出し、ときとして反対のコースを取るなど、可能性を探る姿勢が見えました(まぁ、あれだけ差があると勝負掛けざるを得ないんでしょうけど)。

なす術なく7分もの大差が開いた前回に比べると、今日のタイム差は3分。まだまだニュージーランドのスターンは遠いですが、この差を少しでも詰められるよう、次回も頑張ってほしいものです。

一方のチーム・ニュージーランドは、前日の単独レース(依然アルテミス欠場中のため)で、普段トリマーとして入っているオーストラリア人グレン・アシュビー(北京オリンピック・トーネード級銀メダル)にヘルムを任せる余裕を見せていましたが、今日はエース、ディーン・バーカーが復帰、磐石なレース運びを見せました。

ホント強いっす。

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2013年7月24日 (水)

女神の帰還。

アルテミス2号艇、走り出しました。 きれいにフォイリングしてます。

がんばれー!

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2013年7月23日 (火)

なす術なし。

ルナロッサからみると、正に「なす術なし」といったところでしょう。

ラウンドロビン4 第1レース: エミレーツ・チームニュージーランド(S) ○ - ● ルナロッサ(P)

今日は前回よりやや軽風の西南西14ノットのコンディションでした。

ここまで、エミレーツ・チームニュージーランドのボートはどちらかというと強風向きで、ルナロッサにチャンスがあるとすれば、軽風下と言われてきましたが、コンディションにかかわらず、ニュージーランドが速いことが証明されました。

LV Cup - Race 10        ITA      NZL

Distance Sailed (km)   34.923    35.191

Average Speed (kts)    21.99     24.41

Max Speed (kts)         36.60     41.16

消極的なスタートといい、あがらないスピードといい、ルナロッサの元気のなさが目立ちます。スキッパー、マックス・シレーナのコメントも、なんともビミョ~。

「軽風でも、キウィがあんなに速いのを見せられたのにはガッカリした。残りのレースでギャップを埋めて闘うためにも、新しいダガーボードでのテストを楽しみにしてる。まだ諦めたわけじゃない。」

実は、ここまで手の内を隠しているだけで、ルイヴィトンカップの決勝になったとたん、速くなったら驚くけど・・・

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2013年7月21日 (日)

これがウィングセールの底力か!

7月7日に開幕したルイヴィトンカップも、今日がラウンドロビン3の最終戦。

AC72を建造し、ここまで残った挑戦者3チームの内、アルテミス(スウェーデン)は5月の転覆事故で1号艇を大破、依然2号艇の準備が整わず欠場中。ルナロッサ(イタリア)は安全対策に伴うルール変更に抗議して、初戦をボイコット。唯一エミレーツ・チームニュージーランド(ETNZ)だけが初戦から皆勤賞で、着々とポイントを重ねています。

こうした状況下、今日は7月13日以来2度目となるAC72同士の対戦となりました。結果は前回同様ETNZの勝利となりましたが、彼らの底力を前回と異なる形で世界に見せ付ける、驚くべきレースとなりました。

ラウンドロビン3 第3レース: ルナロッサ(S) ● - ○ エミレーツ・チーム・ニュージーランド(P)

今日のコンディションも前回同様、風速15~20ノットの南西風。まず ETNZ がルールに従い、先にスタートボックスへエントリー、続いて10秒後にルナロッサがエントリー。前回と異なり、両艇ともラインから一旦離れますが、まず後続のルナロッサがラインへ戻ります。続いてETNZも舳先をラインへ向け、フォイリングしながら猛然とルナロッサに襲い掛かります。そして、ルナロッサをラインへ押しやりながら、絶妙のタイミングでスタート。

レース序盤、ルナロッサは前回より安定感を増している感じで、先行する ETNZ に対し積極的に仕掛けますが、ジャイブロスがやや大きく徐々に離されます。

ドラマは最初の風上航の半ばで訪れます。順調にレースをリードする ETNZ のジブハリヤードが突然破損、ジブが落ちてきます。ここで ETNZ はジブをダウン、海中に投棄してレースを続行(ジブはチェイスボートが回収)。

ルナロッサにとって千載一遇のチャンス!…と思いきや、ETNZ のスピードが殆ど落ちません。ヘッドセールなしで見事なフォイリングを見せながら、リードを広げ、最終的に2分19秒差でルナロッサを破りました。

とにかく、ヘッドセールがないにもかかわらず、ボートスピードが殆ど変わらない。しかも、ヘッドセールを持つルナロッサが全く追いつけない。恐るべき底力を見せ付けました。

このシーンをみて、ブログ主のとんべえは、BMWオラクルの「USA」がレース途中からヘッドセールを下ろしながら、易々とアリンギの「アリンギ5」を破った第33回アメリカズカップの第1レースを思い出しました。

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Photo Copyright: Gilles Martin-Raget/BMW ORACLE Racing

当時の解説によれば、ウィングセールは極めて効率が良いため、ヘッドセールは必ずしも必要でなく、むしろヘッドセールなしのほうが低ドラッグで走れるということでした。

さて、今回も圧倒的なパフォーマンスをみせたキウィセーラーたち。このまま大きな波乱もなく、ルイヴィトンカップを勝ち取り、"史上最強のセーリングチーム"を自称するオラクル・チームUSAと闘うことになるのか? 或いはルナロッサかアルテミスが、一矢報いるのか?ルイヴィトンカップはまだまだ続きます!

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2013年7月13日 (土)

チーム・ニュージーランド圧勝!AC72初対決。

ついにAC72同士が対決!

ルナロッサの大会復帰を受けたルイヴィトンカップのラウンドロビン2 第1レースは、下馬評どおりエミレーツ・チームニュージーランドの圧勝となりました。

ラウンドロビン2 第1レース: エミレーツ・チーム・ニュージーランド(S) ○ - ● ルナロッサ(P)

ゴールデンゲートブリッジ方向から吹き付ける、16~18ノットの西南西風を受けながら、まずルナロッサがポートタックでスタートボックスへエントリー。続いてルールに従いチーム・ニュージーランドが10秒後にスターボードタックでエントリー。

ルナロッサは、そのままポートでニュージーランドの前を切り、しばらくスタートラインから離れた後、タックしてラインへ。

ルナロッサを追ってジャイブしたニュージーランドは、戻ってくるルナロッサの下でタック、ダイヤルアップへ持ち込み、完璧にルナロッサをコントロール。そのままリードを保ちながらスタート!

・・・と、マッチレースらしかったのはここまで。あとはチームニュージーランドの一方的なレースとなりました。フィニッシュ時のタイム差は5分23秒。競技規則によりタイムリミット5分とされているため、記録上ルナロッサはDNFとなります。

AC72同士の初対決となったこのレース、ボートスピードの差はともかく、両チームの安定感の差が目についたように思います。特にフォイリングしたまま、バシバシとジャイブを決めるニュージーランドのパフォーマンスは、ルナロッサのそれを確実に上回っていました。

次回はルナロッサの巻き返しを期待したいですね。

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2013年7月12日 (金)

Born in the USA?

今日は少し口直し。

さて問題です!

オラクル・チームUSAのセーリングチームには、24名の腕利きセーラーが在籍していますが、その内米国人は何名いるでしょうか?

正解はこちら↓

オラクル・チームUSAのヘルムス、ジェームズ・スピットヒルが facebook でシェアした動画です。

しっかし、ルナロッサのセーリングスーツ、めちゃSFチック。

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2013年7月11日 (木)

イアン・マレーの安全提言は却下! ルナロッサはレースに復帰。

第34回アメリカズカップのレース運営組織:アメリカズカップ・レースマネジメント(ACRM)の合意の下、国際セーリング連盟(ISAF)が指名した国際ジュリーの裁定が下されました。

結論は、「ACRMのレガッタ・ディレクターであるイアン・マレーが、大会公示(Regatta Notice) 第189号で出場各チームに指示した安全のためのAC72クラスルールの変更は無効」というものです。

以下が今回の国際ジュリーの判定文書の全文です。

ここには、エミレーツ・チームニュージーランドとルナロッサがイアン・マレーの安全提言、及び大会公示第189号に対し不服を申し立てた経緯、オラクルやアルテミス、さらに米国沿岸警備隊(日本の海上保安庁に当たる)といった関係者への事情聴取結果、さらには本裁定の根拠となる「贈与証書」から第34回アメリカズカップの大会議定書(プロトコル)の関連条項まで延々と記載されていますが、肝心なのは22ページ目の数行だけです。

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DECISION AND ORDERS

186. Regatta Notice 189 has the effect of changing the Class Rule and is therefore not in accordance with Protocol Article 4.3(k). The Regatta Director is ordered to withdraw RN 189.

裁定 及び 指示

186. 大会公示 第189号はクラスルールを変更する効力を持っており、大会議定書 第4.3条K項に違反する。従ってレガッタ・ディレクタは大会公示 第189号を取り下げること。

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大会議定書 第4.3条K項には、「ACRMは大会議定書に沿った規則を発行することができるが、それら規則は同じく議定書の13条に規定された文書の内容まで変更できない」と書いてあります。議定書 第13条については、あとで述べるとして、では大会公示 第189号に何が書いてあるかというと・・・

「アルテミスの転覆事故を受けた是正処置の一環として、米国沿岸警備隊に(例の37か条からなる安全提言を含む)競技安全化計画を提出した。(法令順守を規定した)大会議定書 第16条と(大会運営の規則書を定義した)大会議定書 第13.2条に従い、AC72のクラスルールを変更する」とされています。

この際なので、第34回アメリカズカップの大会議定書もアップしておきます。興味のある方は第4.3条K項と第16条、第13.2条をご参照ください。

ちなみに第13.2条には"第13.1条を見ろ"と書いてあり、第13.1条には、この大会議定書より「贈与証書」が優先されると書いてあります。アメリカズカップの憲法である「贈与証書」については、2009年8月10日付の当ブログに詳しく記しているので、興味のある方はそちらもどうぞ。

とまぁ、ここまできて何が問題かというと、要はクラスルールの変更が問題なのです。ということで、今度はAC72のクラスルールを見てみましょう。

問題は、クラスルールの第4条にあります。

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4. AMENDMENTS

The AC72 Class Rule may be amended at any time by unanimous consent of Competitors still competing and the Regatta Director, except that:

(a) at any time the Measurement Committee, with the approval of the Regatta Director, may amend the AC72 Class Rule with respect to media requirements; and

(b) prior to March 1, 2011, the Measurement Committee, with the approval of the Regatta Director and a majority of the Competitors, may amend the AC72 Class Rule in any respect.

4. 修正

AC72クラスルールは、以下の場合を除き、参加中の競技者およびレガッタ・ディレクタによる全会一致の合意がなければ修正できない。

(a) レガッタ・ディレクタの許可の下、計測委員会はメディア関連のAC72クラスルールを修正できる。

(b) 2011年3月1日までは、レガッタ・ディレクタと過半数の競技者の許可の下、計測委員会はAC72クラスルールのいかなる項目も修正できる。

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ということで、いかにレガッタ・ディレクタといえども、全参加チームの合意がなければ、クラスルールの変更はできないことになっているのでした。今回チーム・ニュージーランドとルナロッサは、正にこの点を突いてきたのです。

今回の裁定の結果、クラスルール変更を伴うラダーエレベータの面積や深さ、対称形といった安全規定は撤回され、ルナロッサはめでたくレースに復帰となりました。

で、これからどうなるかというと、2つの懸念が指摘されています。

1. 沿岸警備隊の許可が撤回されないか?

そもそもイアン・マレーはアルテミスの転覆事故を受け、上記ラダーエレベータの安全規定を含む37か条の安全提言を米国沿岸警備隊に提出し、大会開催の許可を得ていました。今回その安全提言の一部が撤回されることになるので、これに対し沿岸警備隊がどう判断するか、現時点では不明です。最悪大会の中止を命令される可能性もないとはいえません。

2. "不安全な"ラダーエレベータの復活

今回の裁定を受け、ラッセル・クーツはオラクルも安全規定に捉われない新しいラダーエレベータを装備すると同時に、ルールを巡るドロドロした争いが復活するだろうと facebook 上でコメントしています。

今回は久し振りに長文となってしまいました。

アリンギとオラクルの法廷闘争以来、こういったゴタゴタになると俄然ノリノリになるブログ主とんべえでした。

ようやくアメリカズカップらしくなってきたと思いません?

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